2018年08月22日

おでかけスケッチ〜花と風景/暑中お見舞い2018夏

今年は例年以上の猛暑が続いておりますが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか?
暑中お見舞いで描いた桔梗をお届けします。

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桔梗の清涼感ある色と形が、夏の日差しを和らげてくれる気がいたします。
と言っても、万葉植物園で描いていると紙に汗が滲みましたが…。

私は相変わらずこつこつと描いているのですが、こちらの記事もご無沙汰ですので、最近描き散らしたものを披露して近況のお便りといたします。

今年は奈良の風景を描くというミッションを設けましたので…
墨絵アートてぬぐい〜奈良風景 2018夏

先ずは、花。そして木々や風景を魅力的に描くため画力を磨いております。
日々の生活の中で身近にあるものですが、それでも上手く描くのは難しい…。
見慣れたものだけに、心に記憶しているイメージで描ければと思うのですが…先ずはよく観察することから始めたいと思います。

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涼をよぶ朝顔


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こちらは夏前におでかけしたスケッチより。
煉瓦造りの校舎が美しい京都の大学の風景です。

丁度我々が訪れた時、国民的朝ドラマの撮影が行われておりまして、セットや衣装など明治時代に迷い込んだような雰囲気を見る事ができました。

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レトロな学舎の向こうに、近代的建築が見える構図


【展覧会にいってきました】

最近出かけた展覧会をいくつか。

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■ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信@あべのハルカス美術館

鈴木春信は江戸の浮世絵を創始したオリジネーターのおひとりです。浮世絵がどのように誕生したのか勉強になりました。
爛熟の江戸末期世代の浮世絵師と比べると、その女性像も世界観も素朴で清々しい印象。
可愛らしい春信ガールたちを「萌え萌えきゅん」というパワーワードで、また何時か記事に描きたいとおもいます、いつものノリで…。


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■生誕150年 横山大観展@京都国立近代美術館

水墨画の超大作「生々流転」(重要文化財)を拝見しに行きました。
これは見ておいてほんと良かったなと、お陰で私の水墨も変わりました!その成果はまた近々描きあげました「竜虎図」にて。

日本画の巨匠として知られる大観は、縦横無尽に作風が変化する画家でした。
霊峰富士や海などのシリーズは様々なアイデアに満ちていたのですが、それら芳醇な作品群の中でシンプルすぎるぐらいの水墨画たちがなぜか光って見えました(墨絵描きのひいき目なのかな)

そして大観というと戦時中の芸術家として、藤田嗣治と共に興味深い存在です。

こちらもまたいずれ詳しく書きたいと思います。


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■マカロニほうれん荘展 in 大阪@あべの and

わたしが子どもの頃強く影響を受けたマンガ!待望の原画展が大阪にやってきました。
マンガというよりビジュアルインパクトの強さがピカイチで、イラストレーションのような体験をした最初なのかもしれません。
自分がかつてやっていた番組でも再三取り上げたぐらい、思い入れが強いのです。無論初日に並びましたw
伝説のマンガが40年を経て復活の兆しが…胸熱(ムネアツ)で待っております、先生。


【人物を描く】

今年の課題として、草花・風景と、目下力を入れているのが、人物描写です。
人物を魅力的に、というより破綻なく描くためには、観察と人体の知識が必要でした。
体はどのような構造になっているのか、個人差はどこに現れるのか、自然で美しい姿勢はどういったものか…などなど。

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shinshin8月号イラスト

浴衣は、布が包む人の体を感じさせるのがコツみたいですね。ごわっとした固い浴衣生地に柔らかい肌…というのはセツ先生の著書より教わりました。
感想:生誕100年 長沢節展 at 弥生美術館


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6〜7月はFIFA WORLD CUP 盛り上がりました。熱闘を繰り広げる選手達を描くことでより夢中に。
アスリートやスポーツ選手を美しく描くのもまた課題ですので、引き続き成果を墨絵deワールドカップとして落とし込みたいのですが、まだ先になりそうです。
墨絵deピョンチャンオリンピック〜2018平昌五輪

甲子園2018S.JPG

体の構造を掴んだら、連続した動きも理解出来るようになりました。


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今年も奈良県×文化服装学院ファッションショー拝見しました。
興福寺中金堂落慶をテーマにした「あたらよ」可惜夜とは明けてしまうのが惜しい夜という意味だとか。
ファッションの憧れを今年も絵にしたいと思います。

そして、夏は!水着!なのです!

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2018年06月06日

お出かけスケッチ〜京都大原三千院

いよいよ梅雨入りですね。少し前のお話しですが、京都大原へスケッチに行って参りました。

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2018年春は例年より桜の開花が早かったため、お出かけスケッチ部では、洛北で多少開花が遅れる大原へ足を伸ばしました。
有名な観光名所ですが、今まで中々訪れる事がありませんでしたので新鮮でした。

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京都市内からバスで約1時間ほども離れた静寂な山里。
都から遠い、出家・隠遁の地として古くから知られた場所という事で、そんな趣が残る土地。
さすが観光名所、という風光明媚さでした。

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こちらは「大原女」(おおはらめ)
大原は古くより薪の産地で、はるばる都へ薪を売り歩く女性達は、京都の風物詩として知られていたそうです(京都の古いは千年前とかざら)
今は時代祭や、時代行列などでおみかけしますね。
手拭い被りと労働着というスタイルが、着飾った芸者とは違う存在感があり魅力的です。(歴史が長いので、時代ごとにファッションが異なるようですが…)

そして大原といえば…きょおと〜おおはら、さん ぜん いん♪デューク・エイセスが歌ったご当地ソング「女ひとり」があまりに有名。

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三千院では、阿弥陀三尊像を格納した船底天井がインパクトありましたが、四季折々のお花と、野仏さまが点在するお庭が絵になりますね。

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というわけで、最近はお花を描く方法を模索中です。

春の池大雅展以来、木々や山石を描きたいのですが…水墨は難しい…(><)
感想:イケてる水墨画家 池大雅 at京都国立博物館

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なかなか上手く描けません。今年は修行ですなー。

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というわけで、美しい菖蒲や紫陽花が色づいてまいりました。
まだ新株なので、フレッシュな色目ですねぇ。そういう発見も野外スケッチならではの楽しみ。

さて、新作はぼちぼち準備中でして、奈良風景を少しずつ描いていきたいかなと。
そして萌えきゅん鈴木春信を阿倍野に観に行かねばの(´ω`)


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2016年12月24日

真田丸絵〜大坂の陣・其の十四から二十四

2016年大河ドラマ「真田丸」完結いたしましたね、今年は大いに楽しませて頂きました。
ほんの出来心から「丸絵」を始め、毎週一枚最後まで描き続けられるかな?と思っていましたが、遂に完走いたしました。しかも結構なのめりこみようでした 笑)

ドラマに関する話題もNetを中心に大変盛り上がりました。今時のTVドラマは、SNS抜きでは語れないということで、制作側も意識して見ておられたとのこと。
特に丸絵は世間に広く認知されている様子で、真田ゆかりの地域に貢献していたりと、大いに盛り上がっていました。今が一番いい時なのかもしれませんね。

私は絵を描く腕を向上させる目的で、ドラマ中盤あたりからこっそり始めました。
ドラマの内容を読み解き、自分が描きたいテーマを決め、構成を考え、補足情報を調べ、見た目に楽しい一枚絵に仕上げる。
これを短時間制作で、毎週続ける、ファンの目を意識して手はぬけない。
これは中々よいトレーニングになりまして、最終回までに24枚を描き、自分では結構な進歩があったように思います。

丸絵について・初期の絵
真田丸絵〜其の一から九

豊臣編です。安土桃山時代の豪華絢爛で雅な雰囲気を、カラフルで軽いイラストレーションにしようという試み。
稚拙で絵のばらつきも大きいですが、楽しんで描いておりました。

真田丸中盤のクライマックス
真田丸絵〜草刈昌幸公と合戦関ヶ原・其の十から十三

名場面が続き大いに盛り上がった時期、私も絵の描き込みが格段に増えました。
「関ヶ原」に至ってはドラマに描かれなかったシーンの補完までやっております。

10枚ほど続けて、定型が確立し完成度が上がって来たように思います。
そうなると今度はその型を崩したくなり、また描き方を変えることにしました。

ここから、最終章「大坂の陣編」です。
ドラマに関する思いは全て絵に描き込んでありますので、そちらをご覧下さい。
例によってここでは、絵を描く事に関するお話しをいたします。


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【丸絵其の十四「幸村」】

第四十回「幸村」より 長いドラマの末ついに誕生した真田幸村、重みのある中年顔の英雄になりました。きりちゃんもメインヒロインとして輝き始めるのでしょうか。片桐且元さんの苦悩はまだ続くらしい。

幸村の深く沈んだ表情を表現したかったのですが、カラフルなきり達と合わせたため、ただ顔色が悪いだけの印象になりましたね 笑)失敗でした。
※関ヶ原にのめり込んでしまったため、九度山村回飛んでおります

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【丸絵其の十五「豊臣家」】

第四十一回「入城」より 幸村の大坂城入城と豊臣家首脳陣のお目見え。話題騒然!戦国のサウンドオブミュージック!

メインの登場人物を中心に据え、それ以外の人物のデフォルメを強くして差を出す試み。
レイアウトの定型は崩れたけど、まだ従来の描き方を踏襲していますね。


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【丸絵其の十六「大坂五人衆」】

第四十二回「味方」より 幸村!又兵衛!勝永!全登!盛親!大坂五人衆勢揃いの巻!アクの強いハングリーな牢人達がどう結束していくのか楽しみですね。

五人衆揃い踏み!ということで、時代劇のナレーション風の言葉を考えて書き添えてみました。こういうのは墨筆書きがとてもしっくりきますね。

今回最も苦労し、鍛えられたのが、人物画です。モデルに似せて描くというのは非常に難しい。
ところが丸絵にはクオリティの高い似顔絵が多数あり驚きです。いったいどうやったらこんなに似るのか…随分研究しましたよ。


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【丸絵其の十七「結束」】
第四十三回「軍議」より 訳あって集った男達が互いを認め結束していく…見てて熱くなりますね!この先に期待。片桐さん闇墜ちしないでぇ。

この頃よりデフォルメ化した人物が段々とキャラクター化してきました。
マンガ表現のいい所は、リアルな人物表現ではまず考えつかなかったコミカルな表現ができる事だと発見しました。

なお、丁度この時期、豊臣秀次公縁の話題がありましたので紹介しています。
レポート:豊臣秀次公縁の「瑞泉寺」寺宝展


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【丸絵其の十八「赤備え」】
第四十四回「築城」より 神演出でまたも視聴者騒然!興奮冷めやらぬうちに描き留める。この真田左衛門佐幸村誕生までの長い道のりでした。

ドカーンと盛り上がったお陰で、こちらの丸絵も多くの人に楽しんで貰えたようです。
遂に甲冑騎馬姿の幸村が登場、怒濤の合戦シーンが始まるので、迫力の出るタッチの描き方に変えました。
モノクロ線画で描いて、色を部分的にのせています。


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【丸絵其の十九 「勝ち鬨」】
第四十五回「完封」より 日の本一の兵、誕生!牢人衆の団結も見事でした。そしてこれより後は…苦しい展開が続くことを覚悟する。

構図・タッチ、さらに迫力を出すために、テクスチャー(手触り)を意識し始めました。
主役の絵がシリアスになっていく反動なのか、サブ要素がギャグ化してきました 笑)


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【丸絵其の二十「勇者〜あんたが大将」】

第四十六回「砲弾」より 塙団右衛門でござる!牢人衆を楽しく描くことのできる最後の機会と思い丁寧に仕上げました。調略イケ叔父上。

牢人衆の団結感が好きで繰り返し描いております。粉雪降る夜のシーンを上手く表現できたかと。
この頃より、絵に意識的に汚れや滲み掠れといったノイズを加えるようになりました。
クリアな絵ではなく、手描きならではの手触りを強調していく方向に。

そして、サブ要素のギャグ化がさらに激しくなりました。
実はこの機会にマンガ的な表現を本格的に学ぶようになりまして、ようやく思うように描けるようになった頃で、面白くって 笑)

ちなみにこの時期の私のテーマは「実験」と「毎回チャレンジ」でした。
全体的にやや暴走ぎみです。


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【丸絵其の二十一「女子回〜ガールズトークまたは回転レシーブ」】
第四十七回「反撃」より 阿茶局の情熱と、きりちゃんのナイスレシーブとかいろいろ闘っている真田丸の魅力的な女性達です。

女性がドラマの中心という珍しい回だったので、絵もおもいきっり女子向けにシフトしてみた所、これまでの絵柄との落差に驚きという感想を頂きました 笑)
40代以上でないと分からない昭和ネタを多く盛り込んでおります。絵でも内容でも、色んな時代のものをコラージュしてみようと。
毎回登場させていたレギュラーキャラがすっかり一人歩きしております。私が考えなくても勝手に動くというか…キャラとは不思議な力を持っていますね。


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【丸絵其の二十二「最後の望み」】
第四十八回「引鉄」より いよいよ最後の戦いへ。諦めない幸村の最後の望みとは…。せめてヒロインに幸せなラストが訪れることを願って。

最終決戦間近ということで、私も全力で取り組むようになりました。得意とする墨絵に今回実験していたノイズを乗せる手法を形にしてみようと。
一方で、手応えがあったロマンチックな路線も継続、発展。
結果ゴリゴリのハードな絵と乙女チックな絵が同居する異様な一枚に。普通はありえない構成ですが、まぁ実験なのでいいかと。


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【丸絵其の二十三「それぞれの思い」】
第四十九回「前夜」より 「それぞれの思い」最後の時を迎える人々それぞれの思い。今まで演じて来られた方々の魂がこもった表情と台詞が心に残りました。

最後の出番を迎えた俳優さんの万感こもった演技と一言が魅力的で、丁寧に拾い上げて一枚にしました。
ドラマのヒロインに特に思い入れは無かったのですが、毎回レギュラーで描いていたため情が移ったのかもしれません。


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【丸絵其の二十四「疾風」】
第五十回「最終回」より 「疾風」背水の陣大坂方決死の突撃に歓声を上げ、信繁を支えた人々の奮戦に涙し、ダメ田十勇士にずっこけw 感激感涙の最終回を一枚に凝縮。名場面や台詞を反芻して幸村の生き様を再考、明かされていない信繁最後の策を思う。

最終回は時間を惜しまずにとことん描き込み仕上げました。今回の連作真田丸絵の集大成です。


ほんの出来心で始めた「丸絵」でしたが、非常に秀逸なドラマに引き込まれ、最後までテンションを維持して描ききる事ができました。
自分自身が毎週描いていたため、思い入れが深くなり、感動が大きかったのかもしれませんね。

SNSのファン投稿も存在が大きかったと思います。みなさんの丸絵を常々拝見し刺激を受けました。
作品への愛情を直球ストレートに描くファンアートが多い中、私の冷めた絵を投稿するのは申し訳無い気がしておりましたが、自身のスタイルを変える事はしませんでした、でも自然と影響を受けて変化していたのではないかと思います。

実際の所毎週描くのはとても大変でしたが、得たものも多くあったように思います。
まだぎこちないですが、漫画的表現、面白いですね。
しかしながら、一枚の絵に、違う画風の絵を幾つも相乗りさせるというのは、世界観が破綻するので普通はやりません。
実験として試しただけですので、良い子は真似しないでね(´ω`)

でも普段、お仕事などでは絶対やらないことをあえてするのは、新しい発見があり新鮮です。

最近、電子音楽熱が再来しておりまして。エレクトロニカというジャンルの音楽は、ノイズを音楽要素として取り入れておりそれが耳に心地よいのです。
これをグラフィックに例えると、スキャニング時に出来るノイズやぶれをクリアにするのではなく、積極的に表現として増幅する、とか。
アナログノイズを表現として活用する方向を探るとか、そんなことを最近考えていたため、どんどん奇妙な方向に展開していたという訳です。
でも案外、こういった遊びから新鮮な発見があるものなんですよ。

イラストレーションの良さというのは、軽やかに早く伝わるという所だと思います。
SNS投稿絵のように、即時性と共感が重要なジャンルでは特にここが重要ですね。
最近はスマフォで見る人も多いでしょうから、そういったメディアに沿った体裁で描くことも必要でしょう。

つまり私の絵のように、重くて描き込み過剰で伝わりにくい方向は全く真逆ですので(´ω`;)ご参考までに。

というわけで、長くなりましたが、真田丸絵 完結です。
真田丸スタッフの皆さま、素晴らしいドラマをありがとうございました。

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