2016年12月24日

真田丸絵〜大坂の陣・其の十四から二十四

2016年大河ドラマ「真田丸」完結いたしましたね、今年は大いに楽しませて頂きました。
ほんの出来心から「丸絵」を始め、毎週一枚最後まで描き続けられるかな?と思っていましたが、遂に完走いたしました。しかも結構なのめりこみようでした 笑)

ドラマに関する話題もNetを中心に大変盛り上がりました。今時のTVドラマは、SNS抜きでは語れないということで、制作側も意識して見ておられたとのこと。
特に丸絵は世間に広く認知されている様子で、真田ゆかりの地域に貢献していたりと、大いに盛り上がっていました。今が一番いい時なのかもしれませんね。

私は絵を描く腕を向上させる目的で、ドラマ中盤あたりからこっそり始めました。
ドラマの内容を読み解き、自分が描きたいテーマを決め、構成を考え、補足情報を調べ、見た目に楽しい一枚絵に仕上げる。
これを短時間制作で、毎週続ける、ファンの目を意識して手はぬけない。
これは中々よいトレーニングになりまして、最終回までに24枚を描き、自分では結構な進歩があったように思います。

丸絵について・初期の絵
真田丸絵〜其の一から九

豊臣編です。安土桃山時代の豪華絢爛で雅な雰囲気を、カラフルで軽いイラストレーションにしようという試み。
稚拙で絵のばらつきも大きいですが、楽しんで描いておりました。

真田丸中盤のクライマックス
真田丸絵〜草刈昌幸公と合戦関ヶ原・其の十から十三

名場面が続き大いに盛り上がった時期、私も絵の描き込みが格段に増えました。
「関ヶ原」に至ってはドラマに描かれなかったシーンの補完までやっております。

10枚ほど続けて、定型が確立し完成度が上がって来たように思います。
そうなると今度はその型を崩したくなり、また描き方を変えることにしました。

ここから、最終章「大坂の陣編」です。
ドラマに関する思いは全て絵に描き込んでありますので、そちらをご覧下さい。
例によってここでは、絵を描く事に関するお話しをいたします。


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【丸絵其の十四「幸村」】

第四十回「幸村」より 長いドラマの末ついに誕生した真田幸村、重みのある中年顔の英雄になりました。きりちゃんもメインヒロインとして輝き始めるのでしょうか。片桐且元さんの苦悩はまだ続くらしい。

幸村の深く沈んだ表情を表現したかったのですが、カラフルなきり達と合わせたため、ただ顔色が悪いだけの印象になりましたね 笑)失敗でした。
※関ヶ原にのめり込んでしまったため、九度山村回飛んでおります

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【丸絵其の十五「豊臣家」】

第四十一回「入城」より 幸村の大坂城入城と豊臣家首脳陣のお目見え。話題騒然!戦国のサウンドオブミュージック!

メインの登場人物を中心に据え、それ以外の人物のデフォルメを強くして差を出す試み。
レイアウトの定型は崩れたけど、まだ従来の描き方を踏襲していますね。


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【丸絵其の十六「大坂五人衆」】

第四十二回「味方」より 幸村!又兵衛!勝永!全登!盛親!大坂五人衆勢揃いの巻!アクの強いハングリーな牢人達がどう結束していくのか楽しみですね。

五人衆揃い踏み!ということで、時代劇のナレーション風の言葉を考えて書き添えてみました。こういうのは墨筆書きがとてもしっくりきますね。

今回最も苦労し、鍛えられたのが、人物画です。モデルに似せて描くというのは非常に難しい。
ところが丸絵にはクオリティの高い似顔絵が多数あり驚きです。いったいどうやったらこんなに似るのか…随分研究しましたよ。


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【丸絵其の十七「結束」】
第四十三回「軍議」より 訳あって集った男達が互いを認め結束していく…見てて熱くなりますね!この先に期待。片桐さん闇墜ちしないでぇ。

この頃よりデフォルメ化した人物が段々とキャラクター化してきました。
マンガ表現のいい所は、リアルな人物表現ではまず考えつかなかったコミカルな表現ができる事だと発見しました。

なお、丁度この時期、豊臣秀次公縁の話題がありましたので紹介しています。
レポート:豊臣秀次公縁の「瑞泉寺」寺宝展


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【丸絵其の十八「赤備え」】
第四十四回「築城」より 神演出でまたも視聴者騒然!興奮冷めやらぬうちに描き留める。この真田左衛門佐幸村誕生までの長い道のりでした。

ドカーンと盛り上がったお陰で、こちらの丸絵も多くの人に楽しんで貰えたようです。
遂に甲冑騎馬姿の幸村が登場、怒濤の合戦シーンが始まるので、迫力の出るタッチの描き方に変えました。
モノクロ線画で描いて、色を部分的にのせています。


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【丸絵其の十九 「勝ち鬨」】
第四十五回「完封」より 日の本一の兵、誕生!牢人衆の団結も見事でした。そしてこれより後は…苦しい展開が続くことを覚悟する。

構図・タッチ、さらに迫力を出すために、テクスチャー(手触り)を意識し始めました。
主役の絵がシリアスになっていく反動なのか、サブ要素がギャグ化してきました 笑)


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【丸絵其の二十「勇者〜あんたが大将」】

第四十六回「砲弾」より 塙団右衛門でござる!牢人衆を楽しく描くことのできる最後の機会と思い丁寧に仕上げました。調略イケ叔父上。

牢人衆の団結感が好きで繰り返し描いております。粉雪降る夜のシーンを上手く表現できたかと。
この頃より、絵に意識的に汚れや滲み掠れといったノイズを加えるようになりました。
クリアな絵ではなく、手描きならではの手触りを強調していく方向に。

そして、サブ要素のギャグ化がさらに激しくなりました。
実はこの機会にマンガ的な表現を本格的に学ぶようになりまして、ようやく思うように描けるようになった頃で、面白くって 笑)

ちなみにこの時期の私のテーマは「実験」と「毎回チャレンジ」でした。
全体的にやや暴走ぎみです。


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【丸絵其の二十一「女子回〜ガールズトークまたは回転レシーブ」】
第四十七回「反撃」より 阿茶局の情熱と、きりちゃんのナイスレシーブとかいろいろ闘っている真田丸の魅力的な女性達です。

女性がドラマの中心という珍しい回だったので、絵もおもいきっり女子向けにシフトしてみた所、これまでの絵柄との落差に驚きという感想を頂きました 笑)
40代以上でないと分からない昭和ネタを多く盛り込んでおります。絵でも内容でも、色んな時代のものをコラージュしてみようと。
毎回登場させていたレギュラーキャラがすっかり一人歩きしております。私が考えなくても勝手に動くというか…キャラとは不思議な力を持っていますね。


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【丸絵其の二十二「最後の望み」】
第四十八回「引鉄」より いよいよ最後の戦いへ。諦めない幸村の最後の望みとは…。せめてヒロインに幸せなラストが訪れることを願って。

最終決戦間近ということで、私も全力で取り組むようになりました。得意とする墨絵に今回実験していたノイズを乗せる手法を形にしてみようと。
一方で、手応えがあったロマンチックな路線も継続、発展。
結果ゴリゴリのハードな絵と乙女チックな絵が同居する異様な一枚に。普通はありえない構成ですが、まぁ実験なのでいいかと。


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【丸絵其の二十三「それぞれの思い」】
第四十九回「前夜」より 「それぞれの思い」最後の時を迎える人々それぞれの思い。今まで演じて来られた方々の魂がこもった表情と台詞が心に残りました。

最後の出番を迎えた俳優さんの万感こもった演技と一言が魅力的で、丁寧に拾い上げて一枚にしました。
ドラマのヒロインに特に思い入れは無かったのですが、毎回レギュラーで描いていたため情が移ったのかもしれません。


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【丸絵其の二十四「疾風」】
第五十回「最終回」より 「疾風」背水の陣大坂方決死の突撃に歓声を上げ、信繁を支えた人々の奮戦に涙し、ダメ田十勇士にずっこけw 感激感涙の最終回を一枚に凝縮。名場面や台詞を反芻して幸村の生き様を再考、明かされていない信繁最後の策を思う。

最終回は時間を惜しまずにとことん描き込み仕上げました。今回の連作真田丸絵の集大成です。


ほんの出来心で始めた「丸絵」でしたが、非常に秀逸なドラマに引き込まれ、最後までテンションを維持して描ききる事ができました。
自分自身が毎週描いていたため、思い入れが深くなり、感動が大きかったのかもしれませんね。

SNSのファン投稿も存在が大きかったと思います。みなさんの丸絵を常々拝見し刺激を受けました。
作品への愛情を直球ストレートに描くファンアートが多い中、私の冷めた絵を投稿するのは申し訳無い気がしておりましたが、自身のスタイルを変える事はしませんでした、でも自然と影響を受けて変化していたのではないかと思います。

実際の所毎週描くのはとても大変でしたが、得たものも多くあったように思います。
まだぎこちないですが、漫画的表現、面白いですね。
しかしながら、一枚の絵に、違う画風の絵を幾つも相乗りさせるというのは、世界観が破綻するので普通はやりません。
実験として試しただけですので、良い子は真似しないでね(´ω`)

でも普段、お仕事などでは絶対やらないことをあえてするのは、新しい発見があり新鮮です。

最近、電子音楽熱が再来しておりまして。エレクトロニカというジャンルの音楽は、ノイズを音楽要素として取り入れておりそれが耳に心地よいのです。
これをグラフィックに例えると、スキャニング時に出来るノイズやぶれをクリアにするのではなく、積極的に表現として増幅する、とか。
アナログノイズを表現として活用する方向を探るとか、そんなことを最近考えていたため、どんどん奇妙な方向に展開していたという訳です。
でも案外、こういった遊びから新鮮な発見があるものなんですよ。

イラストレーションの良さというのは、軽やかに早く伝わるという所だと思います。
SNS投稿絵のように、即時性と共感が重要なジャンルでは特にここが重要ですね。
最近はスマフォで見る人も多いでしょうから、そういったメディアに沿った体裁で描くことも必要でしょう。

つまり私の絵のように、重くて描き込み過剰で伝わりにくい方向は全く真逆ですので(´ω`;)ご参考までに。

というわけで、長くなりましたが、真田丸絵 完結です。
真田丸スタッフの皆さま、素晴らしいドラマをありがとうございました。

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2016年10月11日

真田丸絵〜草刈昌幸公と合戦関ヶ原・其の十から十三

大河ドラマ「真田丸」もクライマックス、そしていよいよ大阪の陣。
ますます面白く盛り上がっておりますね。

真田家のクライマックス「犬伏の別れ」と、人気の草刈正雄さん演じる真田昌幸公のご退場、
そして戦国ドラマの大一番 関ヶ原で、真田丸も一つの節目を迎えたように思いますので、ここで月与志丸絵もまとめてみました。

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其の十:決断(犬伏の別れ)


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其の十一:第二次上田合戦


それぞれの逸話やドラマに関する感想はすべて絵に描き込んでおりますのでご覧あれ。
ここでは絵そのものについて述べたいと思います。

以前の記事→真田丸絵〜其の一から九
でも述べました通り、近頃流行りの丸絵に参加して絵の腕を磨くことを目的に毎週せっせと描いております。

最近学んだことは、人物を描くという事一つとっても様々なレベルがあるのだなということ。
例えば、登場人物をリアルな描写で描く似顔絵は、ドラマチックな描き込みで俳優さんへの思いを注ぎ込んだような一枚絵として完成されています(〜絵では主流の描き方ですね)
しかし写実的に描いたものばかりではありません。主観的に美しく(自分たちがときめく絵に)変換した人物画、かわいくデフォルメした似顔絵、シリアスな状況をコミカルに読み替えたマンガ、ささやかな萌えポイントを拾い上げた絵など…丸絵は実に多彩です。

また主観的な感情を排して客観的な情報を伝えるキャラクター化というものもあれば、キャラそのものにオリジナルとは別の魅力が生まれ一人歩きする例もありますね。

日本人のかわいいキャラを愛する歴史は長い…という最近の考察
レポート:大妖怪展atあべのハルカス美術館

そんな訳で、人物を描くこと一つとっても様々なレベルがあることを意識して、色々描き分けを試していたのが最近です(上手くいっておりませんが)


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其の十三:英雄逝く

草刈昌幸公と本田ライダー忠勝…思いの丈を描き込んだクライマックス回。
さらに今まで描けなかった既に退場した方々を描き込み、少々詰め込みすぎました…。


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其の十二:決戦関ヶ原〜其の壱

大きな話題になった「超高速関ヶ原
真田目線で描く事を徹底した真田丸では、戦国ドラマの大一番「関ヶ原」も数分にまとめられ、それについての批判や不満の声も多数。
私はそんな時こそ、個々人の想像力で補ってドラマを補完すべき、その為の丸絵でしょうという事を申し上げたく、幻の真田丸版関ヶ原を補完するというテーマで取り組みました。


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其の十二:決戦関ヶ原〜其の弐

関ヶ原合戦は、その前(伏見城攻め・ガラシャ壮絶・小山評定・岐阜城陥落と織田宗家断絶・田辺城と細川幽斎・秀忠遅参・杭瀬川の戦い)
中(松平忠吉の抜け駆け・宇喜多隊の明石全登の活躍・島左近と並ぶ三成重臣蒲生郷舎(頼郷?横山喜内?)・後藤又兵衛の活躍・宮本武蔵参戦・小早川秀秋の逡巡の理由・島津の退き口・本多忠勝は名馬を亡くすも無傷)
後(佐和山落城と石田正澄・三成逃亡時の逸話・干柿)など
興味深い話が山盛りあり、とても全部描くことかなわず。

真田丸でスポットが当たっていた治部刑部金吾の逸話を中心に2枚にまとめました(初出の群像絵は一枚で構想していたためです、改めて二枚綴りになりました)
高速関ヶ原では、石田三成大谷吉継の無念の死だけが描かれておりましたが、そこに至るまでのドラマがあったことを想像して頂ける様に、
特に石田三成は、合戦後大津城で、家康と東軍諸将との対面という大きな見せ場がございますので、
真田丸の三成公がどのようにここを演じられるのか想像して、ドラマを補完していただければ幸いです。

なお、合戦関ヶ原は史実の逸話(後世の作り話も多分に含まれますが私はそれも含め日本人が愛してきた歴史と考えます)と、大河ドラマ「葵徳川三代」を元に描いております。
現放送中の真田丸とは世界観が異なりますが、関ヶ原合戦を時間をかけ大迫力で描いておりますのでお勧めいたします。

というわけで、最近はドラマに思い入れが強くなり、描きたい事やエピソードが増えてまいりまして、
その内容を自分なりに編集して一枚絵に細かく描きこむ傾向が強まり、気がつけば雑誌の誌面のようなレイアウトになりました。
効率よく情報を盛り込むにはやはり最適の方法ですが、しかしながら一枚絵としての面白みが無くなってきたのが不満です。案外、最初に勢いだけで描いた「瓜売り」が面白く新鮮に思えて来ましたので、原点回帰してみようかと。

決戦関ヶ原に関しては読み物になってしまいました。手描きの文字は長文には向かないと思うので本来ならフォントを使うのですが、真田丸絵では手描きがテーマなので、あえて手描き文字で押しています(読みにくいでしょうがご容赦)
しかし文字ひとつとっても、意味を持たせる雰囲気のある書き方から、情報を伝える読みやすい書き方まで幅広くあるのですねぇ、まだ身についておりませんが。

というわけで、真田丸もついに最終章。
丸絵も少し描き方を変えて、大阪の陣も思い入れたっぷりに描きたいと思います。


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2016年09月06日

スケッチ:宇治

最近は基本に立ち戻り、写生やスケッチにいそしんでおります。
こちらは京都宇治でのスケッチです。
筆カラーペンや色鉛筆などを使用しています。

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平等院鳳凰堂

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門前の茶店

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宇治上神社

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茶そば

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宇治茶

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宇治金時

宇治につきましては、一度番組で取り上げたこともございまして、
こちらで宇治の歴史やら宇治茶やら響け!ユーフォニアムをお話ししていますのでよろしければご覧ください。

月与志のカルチャー夜話 第七十六夜 〜宇治十帖/響け!ユーフォニアム


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