2019年08月11日

墨絵アートてぬぐい〜大文字・宙〜Universe

少しご無沙汰となりました。
お盆も近いということで、季節を意識した作品を二点お収めしました。

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【大文字~daimonji】

奈良でも毎年行われる「大文字送り火」に因んで「

山に灯される雄大な文字をイメージして形にしました。
今年は書だけではなく、染め方に工夫をして、空間への広がりを表現しました。

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大文字送り火(いわゆる大文字焼きは俗称)というと京都があまりに有名ですが、実は日本各地で行われているのですね。

「奈良大文字送り火」は戦没者慰霊を目的として昭和35年より始まり、現在は災害などで亡くなった方々も含めて慰霊を行うとともに、世界平和を祈る行事として毎年8月15日に催されています。今年は第60回を記念した行事もあるそうですよ。
詳細→第60回奈良大文字送り火 特設ページ



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【宙〜Universe】

大文字のイメージをさらに膨らませた作品です。
奈良では「」というと…大仏さまが御座します。
大仏さまは宇宙の真理を体現されたお姿、太陽のように宇宙を照らす存在、故に「大」きい、そんなイメージを勝手に抱いておりましたもので…。こちらは宙で表現してみました。

「宙」という言葉は古くからあったようです。
改めて調べてみると「宇宙」は漢語由来、本来は「世界」と同じ意味で用いられていたのですが、近代に西洋で発達した科学概念Universeの訳語として現在の「宇宙」が定着した、とか。

宇宙は近代に生まれた世界観ですが、古代から「宇宙」的な概念は、地域宗教を問わず存在したんでしょうなぁ。
ミラクルユニバース☆きらやば!

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ちなみに今回は、タイダイ染めという技法を取り入れてみました。

染めは楽しいですねぇ→墨絵アートてぬぐい〜令和染め
せっかく晒という素材に描いているので、色々試してみたいと思います。

前回の作品→墨絵アートてぬぐい〜恋ひ恋ひて☆赤染め

ただ今、ご注文頂いた「四神」に取り組んでおります。
人気の高い「龍」を新たに、魅力的に更新できるよう頑張ってますので、ご期待ください。

出来上がり次第随時お納めしておりますが、手描きですので数に限りがございます、予めご了承ください。

最新作はSNSにて随時お伝えしております。

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墨絵アート手ぬぐいコーナーでは、朱鳥さまのstaffがいつも素敵なPOPをつけてくださいます。
今回は海外からのお客様向けに、書かれている和歌の英訳までつけてくださいました。いつもありがとうございます。

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美しい和歌は英文でもビューティフル!(な気がします)

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墨絵アートてぬぐいにつきまして、詳細は以前の記事をご覧下さい
朱鳥さま 墨絵アートてぬぐいのご案内

月与志|手描き墨絵てぬぐい


■京都アニメーションさまの復興を心より願っています

さて、話が変わりますが、最近心を痛めておりました、京都アニメーションさまの受難。
2019年7月18日の事件以来、京アニファンとしても、人としても、強い憤りと悲しみが止まらないでおりました。
後日、京都アニメーション第一スタジオを訪れ合掌と献花をして参りました。
駅からほど近くの現場へ、焼け落ちた建物を見た瞬間本当に慟哭しました。報道の映像は酷いものでした、それが本当にここで起きたのだと、犠牲になった方々の無念を自分の目と心に刻みました。
泣くような雨の中、多くの人と黙祷しました。

私も多くのファンと同じく、名作を世に送り出した人達への親しい気持ちから深く心が傷つきました。
京都という地方から発信し、商業アニメという分野で高い評価を受け、絵を描くことで世界に沢山の夢や愛を届けることが出来る彼らは、分野は違えど夢を実現している憧れの存在です。

彼らの夢と将来を理不尽に奪った凶行に強く強く憤りを感じます。
でも唯一の救いは #prayforkyoani で暖かい支援の言葉や行動が世界に広がっていることです。
私も出来る支援は続けていきたいと思います。
京都アニメーションさまの復興を心より願っています。


■ちょっと久しぶり、花スケッチ

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花菖蒲(ハナショウブ)は江戸時代に盛んに栽培された古典園芸植物の代表格。江戸系、伊勢系、肥後系、長井古種などあり。いわゆる「あやめ」「かきつばた」「花菖蒲」は違う種なのだそうです!これまた難しい…。詳細はまた後ほど。

時間を作って庭の花を写生。

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日々水やりと手入れも楽しい。桔梗、女郎花、萩…秋には万葉の庭にしたいなぁ。今は木槿(むくげ)が花盛りです。


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2019年06月19日

墨絵アートてぬぐい〜恋ひ恋ひて☆赤染め

花に夢中な今日この頃ですが、それとは別に以前から憧れていた「染め」を試みています。

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最初はスタンダードな紺色でしたが
墨絵アートてぬぐい〜令和染め

今回は赤を染めてみました。
※ちなみに自然の草木染め…という凝ったものではありません、家庭用のECO染料を使っています。

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【令和〜朱Ver.】
赤く染めてみたら…心奪われるような色彩の魔術ですね。
染色設備など持ってないので、バスルームを使ってるのですが、真っ赤に染まってえらいことに…映画「朱花の月」のあのシーンを思い出しました(ネタバレになるので皆まで言いませんが…)

金文字で「令和」といれたら、とたんに豪華な感じに。運気上昇しそうですねw

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青い染めに銀の方が、侘しく穏やかな美しさで自分としては好みなのですが。
金色に惹かれる方のために、ご用意いたしました。

ところで「朱花(はねづ)の月」は、藤原京の在った地〜奈良の橿原・明日香・高取などを舞台にした現代映画。
河瀬直美監督の鮮烈な演出が印象深い映画です。紅花染めの鮮やかな朱、万葉の時代と、昭和と平成と土地の記憶が出会う、穏やかで激しい映像と物語。劇場で見て以来、また無性に観たくなってきたなぁ。


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【恋ひ恋ひて】
真っ赤に染まった晒に何を描こうかと考え、「朱花の月」の印象が蘇った事もあり、情熱の恋の「赤」でいこう、と。
そこで思い浮かんだのが「」「」「」の三字が入るこの歌。

恋ひ恋ひて 逢へる時だに 愛はしき 言尽くしてよ 長くと思はば 〜大伴坂上郎女 万葉集

ヤバイほど、好きよ」と超訳されて有名なあの歌ですw
キラキラ文字に桜の花を添えたら、女子力高そうなこの歌らしくなったような(´ω`)


大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)は、古典にうとい私でもかろうじて存じ上げていた額田王(ぬかたのおおきみ)に次ぐキラヤバ☆な万葉女流歌人。
額田”ひばり”王に匹敵する昭和の大物歌手はだれか、今思案しているところですw

大伴氏というと、令和の元ネタになった「梅花の宴」の旅人(たびと)や、万葉集編纂者と目される家持(やかもち)など、万葉の世界では非常に重要な氏族なのだなぁ。
坂上郎女は、後に太宰府の旅人の下で暮らし、甥の家持の教育にも携わった、ともいう大伴氏の重要人物。
平城京佐保川近く「坂の上の里」に住んでおられたので坂上郎女(さかのうえのいらつめ)と呼ばれているそうな。

恋多き女とも伝わる多数の恋歌を残している、というけれど、公に詠まれる和歌で、どうしてそこまで赤裸々にプライベートな事をつぶやけるのか、この時代の事情はまだ謎です。

で、大伴"千代子"坂上郎女、でいかがでしょう?ちよっ…ちきびしいかな。


前回の作品→墨絵アートてぬぐい〜2019春夏・藤・山吹・八重桜

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墨絵アート手ぬぐいコーナーは花盛りです。

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墨絵アートてぬぐいにつきまして、詳細は以前の記事をご覧下さい
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どうしても手元で観察したくて、庭に花を植えるようになりまして、最近はそれらを写生するのが至福の一時です。


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2019年06月11日

墨絵アートてぬぐい〜2019春夏・藤・山吹・八重桜

日本の花と歌シリーズ、春から初夏の新しい作品をお納めしました。
前回記事のスケッチから、山吹八重桜の三花を作品化しました。

【八重桜】
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな 〜伊勢大輔 百人一首

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見た目に麗しい桜です。こちらは奈良公園で見かけた八重桜から。
写真では伝わりませんが、豪華な雰囲気を醸す工夫を入れています。


【山吹】
山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく 〜高市皇子 万葉集

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明日香村万葉文化館の庭園で見つけた山吹から。
八重山吹が華やかでしたが、歌の雰囲気から一重にしました。
個人的にはかな書も含め最もシンプルに構図がまとまった佳作ではないかと。
飛鳥・奈良時代の出来事に詳しくなると、悲劇の皇子や姫の歌は必ず入れたくなりますね。

【藤】
恋しけば 形見にせむと わが屋戸(やど)に 植ゑし藤波 いま咲きにけり 〜山部赤人 万葉集

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萬葉植物園の藤苑で取材した藤より描きました。
さすが藤は絵になりますねぇ。
砂ずりの藤と鹿をあわせた長物(てぬぐいサイズ)を構想してます。

花に関する詳しい内容は、こちらの記事をご覧下さい。
おでかけスケッチ〜嵯峨野・嵐山/春の花々〜桜・山吹・藤・躑躅


すっかり季節の花々にはまっている今日この頃です。
最近ようやく荒れ果てていた庭を手入れして、少しずつ花を植える試みを始めました。
手元に置いて毎日観察したら、もっと花の事が分かり、美しく描けるはず。

昔の絵師は、師匠に弟子入りしたら「何でもかんでも描くんじゃねぇ、まず一つのものを極めろ」と諭されたそうで。
私も先ずは、花にじっくり向き合ってみたいと思い、始めました(といってもまた花で目移りしている次第)

観察すると、花々にはひとつひとつ特長があります。それをどう抽出して美しい形に造形するか。
また、画面にどうレイアウトすれば美しく映えるか。
花は単純でシンプルだけど、工夫次第でいくらでも広がりが出せる、とようやく実感するようになりました。

いや、そもそも和歌の書だけ取りだしても、どこで改行するか、どの文字を漢字にし、仮名にするか。
ひと文字の配置、変形具合、前後のつながり、行間・字間。
さらに濃淡や、滲みと掠れのコントラスト、と表現の幅はとっても広く、墨一色でも十分楽しめます。

それに、鮮やかな花図との対比や構成があるのですから、たかが花と和歌というなかれ、奥深いものがあります。
これだけで十分、描写や構成の学びになりますので、龍やら侍やら描くのはまだまだ早かったようですね。

ところで、庭の雑草たちは非常に生命力が強く、刈り取っても数ヶ月でまた勢力を伸ばしてきて驚きです。
この世で一番生命力が旺盛なものは植物というのも納得、数百年〜千年生きる木樹もあるといいます。
一方花々は水がないと直ぐに枯れ、手入れ次第では花も付けないという繊細さ。
スケッチする暇がないうちにあっという間に萎んでしまう…なんでしょうこの両極端。


【和歌について】
まだ和歌の世界は入門ぐらいのものですが、万葉集などの古代の歌と、百人一首の平安貴族の和歌では随分趣が違うと思い始めました。
万葉歌人の頃は、中国の教養をお手本に、歌も公式行事のようなかしこまった感があるものが多い印象ですが(庶民の歌は別)
平安時代は、中国の影響が薄れた国風文化の時代、仮名も生まれ、和歌そのものも洗練され、技巧に優れ、バラエティに富んだものが多い印象です。

このblog的に例えると、万葉の時代は、昭和初期の歌謡曲フォークのような素朴さ。
平安時代は、1980年代の歌謡曲黄金時代のように、それまでの積み重ねが文化として花開いたかのようです。
つまり額田王美空ひばりなら、紫式部ユーミンで、小野小町松田聖子ということですね(´ω`)

そして「ガラスの林檎」と「リンゴ追分」って時代感全然違うけど、どっちも昭和歌謡、みたいな。

それはともかく、背景を知るほど、作品に書く和歌は奈良に縁の深い万葉集より選ぶことが自ずと増えてきました。
しかしながら万葉集は、万葉仮名のイメージ。平安時代に完成されたというかな書風に書くのはいかがなものか、と思ったりするのですが…。
視覚的な美しさを優先して、今はこのスタイルで。恐れながら額田王には十二単を着て頂きます
(尚、墨絵アートてぬぐいにする時点では変体仮名は極力使わないようにしています)

次は初夏のきらやば☆な花々を描きたいな。


春にお納めした早春の花々。
墨絵アートてぬぐい〜2019春・桜・桃・乙女山茶花・水仙


前回お納めした「令和」の作品
墨絵アートてぬぐい〜令和をお迎えする・梅桃桜

墨絵アートてぬぐい〜令和染め

染めの質感は心引かれます。またやりたいなぁ。



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