2019年01月04日

2019年 年頭所感〜あらたしき年の始めの

2019年明けました。 皆様のご多幸と益々のご発展を祈念申し上げます。

昨年は災害の印象が強く、私も辛い思いで過ごした時がありました。
そして平成が終わり、新しい年号へ。
世の中も、そして私自身にも、新らしい季節が巡って参りますよう。

そんな気分を象徴するかのような見事な元旦の晴天、日の出の強い輝きがとても神々しく見えました。
この印象を以て、をテーマにした作品を新年に描いてみたいと思います。


月与志未_椿.jpg

さて、こちらは雪中椿
寒い季節に咲く鮮やかな椿の美しさといったら。
雪降り積もる中では尚一層ですね。

「新しき 年の始の 初春の 今日降る雪の いや重け吉事」大伴家持〜万葉集
「万葉集」最終奥義にして、新年を寿(ことほ)ぐ超定番ソングを書き添えました。

お年賀だったのですが華やぐよりはやや詫びた雰囲気でおおくりしました(好みでつ)
ところで、新しき…は、どうやら「あらたしき」とよむようですね、いやぁまいったまいった。

※古語「あらたし」が音変化して「あたらし」となり「あたらしい」になったとか。言葉はいきもの。ら抜き言葉も近い将来スタンダードになるんでしょうなぁ。


<2018年をふり返る4枚>

181224_つばき.jpg

「巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を」坂門人足〜万葉集
和歌の世界ではどうやら有名なフレーズ「つらつら椿
巨匠の名句を引用して新しい歌を作る「本歌取り」だったとか。いまのPOPSと同じ事してたんだねぇ。

賑やかに沢山咲くさざんかと違い、椿は一輪に重みがある、という印象を持ちました。
椿についてはまた改めまして。


2018年 年頭所感をふり返りました所、己が未熟な画力を、多少でも向上させるのが目標でしたが、それは多少なりとも進歩したようです。
一度古典にどっぷりつかってみたいとも書いておりまして、それは益々継続中です。
水墨画から始まって、最近はやまと絵、和歌の雅な世界にハマリそう。

感想:物語とうたにあそぶ at中之島香雪美術館〜市中の山居に憩う

それらは、作品にも反映されています。ぎゅーんと言魂がしゃうとするのです!

墨絵アートてぬぐい〜龍田川紅葉


そもそもは、日本美術の定番、というか、やまと絵で描き継がれてきた古の花々を描きたいと思ったところ、「花」そのものをまるで知らなかったという反省から写生を始めたら、花の世界の深さ、そして自然はなんて美しいんだろうという発見がありまして。

おでかけスケッチ〜秋の草花

花を写生させてもらっていた萬葉植物園には、万葉集で詠まれた和歌が添えられておりまして、それを書き添えていたところ、和歌の面白さ、かな書の魅力に目覚め、じんわりドハマリ中です。

そんな訳で2018年秋には、墨絵アートてぬぐいの作風も大きく変わりました。

墨絵アートてぬぐい〜紅葉に鹿


金龍俯瞰.jpg

定番の竜虎図も、より進化いたしました。

墨絵アートてぬぐい〜龍虎図・黄金の風

この変化が、この数年地道に描き続けた成果だと自負する所です。


ところでこれら古典から学ぶシリーズとは別に、ファッションテーマのイラストも(密かに)長く続けておりまして。
昨年は人体を正確に描けるよう熱心に頑張りました。

01_オフショルダー.jpg

特にファッションは、頭身やプロポーションのバランス、ポージングがとても重要なことを理解しました。
さらには、服とボディのバランス、着こなしや雰囲気でトレンド感が演出できる、とか、プロのモデルさんは凄いですよねー。


05_あたらよ_コンポジションs.jpg

文化服装学院×奈良県 FASHION SHOW「あたらよ」
こちらはより自由にイメージを遊ばせて気楽に描いていたシリーズなのですが。
昨年の文化服装学院さまの学内展示に、私のイラストレーションも参加させて頂いていただくという、ぶっとび!ミラクルな事も起きました。

FASHION SHOW「あたらよ」イラストレーション展示のお知らせ

こうやって書くと、地味ながらも少しは成長があったのだな、と思い起こせます。
かつて駆け出しの頃は派手にやっていたつもりでなんだかめまぐるしく右往左往しておりましたが、描く絵もこころもなんだか浮ついていたような。
一日一歩、三日で三歩(で二歩下がる)でもいいから、今年も少しずつ積み重ねていきたいと思います。
やっぱ→いつもDO MY BEST! それしかないんです。

2019年は今までよりもっと自然に目を向けて、美しい世界を讃えるような絵が描けるようになれたらいいな。
それと、こんな私の絵でも良いとご依頼がいくつか来ておりますので、お仕事も頑張りますよ。

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2012年01月14日

墨絵書の魅力を語ってみます。

墨で絵を描いたり、書を描くことの魅力を語ってみよう。

私が墨のワークショップなどで良く語っている事は、墨は上手く描けないから面白いよね、ということ。

説明すると、他の画材と比べてコントロールが難しく、なかなか思い通りに描けない。
それは、逆に言うと思いがけない絵が描ける、ということ。

滲みや掠れなどは、紙の種類や墨と水の具合、さらにその時の気温や、描く人自身の気持ちにまで左右される。
しかも一発勝負なので、描き直しはできない。
当に、一期一会の絵なのです。

上手く描こう、コントロールしようとするのではなく、
自然に現れてくるものを見つめ、受け入れていこうとする境地。
といったものが、私にとっての墨絵です。


本来、アナログな画材というのは、そういう意味で、気持ちがストレートに表現される物だった。
デジタルな画材というのは、そういったぶれや失敗をカバーできる夢のツールのようだが、私はそれが常に窮屈だった。
何度でもやり直し〜Undo/Redoが出来る事は、決してプラスな事ばかりではない。

もちろん、20世紀モダンデザインが夢み、Adobeが成し遂げたPost Scriptは、
デザイン計画を一分の隙もなく再現できる優れたツールであり、デザイナーとして受けた恩恵は多大だが、
それが、自然が生み出す偶然を排除し、どこまでもアナライズ&コントロールしようとする思想に基づいたものであることを理解した時、
絵描きとしては、Macのデスクトップから脱出することを決意したのです。


ところで私は、墨書は「音楽」に似ていると感じています。

レコーディングされた音楽には、その時のプレーヤーの、感情や心の高揚が、ボーカルや演奏する楽器の音となって伝わってくるし、
特にマイクで拾ったような録音だと、その場の響きやノイズといった空気感まで含まれていて、それがHDやテープやレコードに封印されている。

墨書というのも、その鮮やかな墨跡にプレイヤー(書き手)の感情が、滲みや掠れに、ライブな空気感を感じることが出来るのです。

昔の古いJAZZのレコードジャケットに、墨書が使われているものがあったりするのも、そういった共通する感覚を現しての事だろうと思う。


次の記事では、墨の痕跡に託された想いをテーマにした展覧会「墨痕」のレポートを、私なりにやってみたいと思うので、ご覧下さい。


墨痕ーぼっこん。墨の痕跡から、何が現れでてくるのか?
そこにたたきつけた墨の墨跡に、画家は何を託したか?

墨痕ー託された想い



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タグ:墨絵 墨書 思索
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