2014年03月13日

月与志のカルチャー夜話 第十二夜 〜春待ち月・書と墨絵と映像の小作品

墨絵作家 月与志がお送りする、知的好奇心を刺激するカルチャー系トーク番組、
「星の林に月の舟〜月与志のカルチャー夜話(つよしのカルチャーよばなし)

2014年3月3日放送 第十二夜は、好評のライブパフォーマンスの生中継を行いました。
お馴染みの 書家 くず上とも子先生をお迎えして、書×墨絵×映像のコラボレーション。
「春待ち月」という主題を掲げ、雪解けから春の予兆を感じさせる映像を用意して、書と絵を重ね合わせていく試みをいたしました。




【月与志のカルチャー夜話】第十二夜 〜春待ち月・書と墨絵と映像の小作品

ゲスト:くず上とも子先生

キーワード:書×墨絵×映像のコラボレーション・奈良・冬・能書家・墨跡・仮名(かな)



各コーナーの詳細は以下です。

第十二夜も冒頭30分を使い、DEERs NARAスタジオより、書×墨絵×映像のコラボレーション作品を生中継いたしました。

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書や東洋画は、いわゆる平面作品ながらも実は、時間の経過を感じる事ができるものです。
映像の時間軸と合わせていくことでそれが露わになるのではないか、という着想を元に今回の試みを始めました。
そして、日本の古典が持っている、季節への憧れとその表現も大事にしたいシリーズです。

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昨日の大雪の日に、奈良公園を取材して歩いた映像を元に、雪解けから春の予兆を感じさせる物語映像を作成し、
そこに、書家と墨絵描きが、即興でどのように色を加えていくか(白黒ですが)その様を楽しんでいけるようなものを目指しました。

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私としては、今回所々もくろみ通りの効果は出せたものの、理想にはまだ遠い出来映えにて少々残念です。
特に映像のフレーム外が見えてしまったのは、楽屋裏が見えているようで興ざめですね。
最後に思わず苦笑いをしてしまったのは、私の墨絵がこともあろうに、先生の落款に被ってしまったからでした。

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とはいえ、くず上先生はこの試みを大変面白く感じてくださったようで、今後の様々なアイデアも頂きました。
立派な銘と印まで頂き、心強いです。

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次回、桜の咲く季節に、ぜひご期待下さい。


この後、入れ替え準備の為のブレイク時間があります。
また所々、映像が消える場面もあり申し訳ありません、素人がほぼセルフでやっておりますのでご容赦くださいませ。


<トークパート>
1)今回のコラボレーションの感想
今回の制作に当たっては、くず上先生にも事前に色々フィードバックを頂きながら構成しました。
次回はさらに、完成度が高まると思います。

私は今回、全てを描ききらない事、白黒故に「色」を感じさせる事、主張しすぎない美学、を教わりました。

私はまだまだ感性が青く、つい盛り込んで主張し過ぎてしまいます。
前回のコラボレーションでさえ、互いが主張しすぎているという見方もできます。
月与志のカルチャー夜話〜第七夜 〜新春書き初め中継「書×墨絵対決」

くず上先生の書
「花は咲く 君のために」/復興支援ソングより

「君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ 〜光孝天皇」
/古今集・百人一首より
こちらの例で、かな文字の簡単な解説をお願いしました。


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2)日本における「書」の歴史を簡単に紹介

奈良時代に中国から、仏教や漢字「書」の文化が、筆・墨と共に伝わって来た。

●能書家(いわゆる書の名人)
三筆(さんぴつ)=空海・橘逸勢(はやなり)・嵯峨天皇

●かなが生まれ「和様書道」が誕生。かなと漢字との調和が課題に。
三跡・三蹟(さんせき)=小野道風(とうふう/みちかぜ) 藤原佐理(さり/すけまさ)・藤原行成(こうぜい/ゆきなり)

改めて調べましたら、仮名(かな)にも平仮名と片仮名がありますね。
本来日本には文字が無い所に、中国の漢字を輸入して、日本語(大和の言葉)に宛てて表記していた(万葉仮名)
漢字の注釈などから発達して仮名(かな)が一般的になり、連綿など様々な工夫がされるようになった。
変体仮名や、発音と表記の不一致など様々な「ゆらぎ」が、明治期に整理され、今日に至る。

そういえば文字に関していえば、古代中世はもとより、昭和以前の書物でも既に現代の感覚からは違和感があります。文字は生き物なんですねぇ。

放送の補足です、「音読み」と「訓読み」の違い
大陸から伝来した通りに読むのが「音読み」その漢字や漢文に元々使っていた日本の読みをあてはめたのが「訓読み」だそうです。

音読みには、呉音・漢音・唐音・慣用音など、複数種類があり、それぞれ日本に伝わった時期が違うのだそうです。
たとえば、「明」という漢字を呉音では「ミョウ」と、漢音では「メイ」と、唐音では「ミン」と読む。
それぞれ、学問、宗教、日常語、で様々な使い分けがあったとか。
深いねー(´ω`;)


墨跡(ぼくせき)
墨跡は武士が台頭した鎌倉時代に中国から伝来した。
当時の日本の書道は、しばらく中国との国交が途絶えていたため和様色一色であったが、この時期に再び日中の交流が禅僧によってはじまり、宋・元代の禅宗の伝来とともに、精神を重視する自由で人間味に富んだ禅僧の書が流入した。
これが武士階級の趣向と合致して多大な影響を及ぼし、墨跡という新しい書の分野が生まれ、日本の書道史上、重要な位置を占めるようになった。
(wikiより)


●茶掛けとして墨跡・が尊ばれる
さらに室町時代に茶道が流行すると、墨跡は古筆切とともに茶席の第一の掛軸として欠くことのできない地位を獲得し、一国一城をかけても一幅の墨跡に替えるといった狂言的な風潮も生まれた。特に江戸時代の大徳寺の禅僧の間で流行し、多くの墨跡が遺され、今日ではそれが墨跡の主流となっている。

禅と茶道、そして墨跡と茶道の結びつきに大きな役割を果たしたのが一休宗純である。一休は大徳寺に住持し、能楽師の金春禅竹・金春禅鳳、茶人の村田珠光などの文化人と親交を結び、日本文化に禅思想の影響を与えた。

禅茶の湯の普及にともなって日本の墨跡、特に宗峰妙超や一休をはじめとする大徳寺の僧のものが珍重され、以後、大徳寺と茶道の関係は続いた。
やがて茶室の装飾品としての墨跡や古筆を豊臣秀吉が好んだことから民間にも広まり、その後、茶道の発達にともないその表装も贅をつくすようになり、永く国民に珍重された。
(wikiより)


●能書家として名を残す人々は、天皇・貴族・僧侶・茶人・武家など。
その文化的な伝統が、現代の経営者にも受け継がれているのではないか。

京セラの創業者 稲盛和夫氏が社是(経営理念)として掲げている「敬天愛人」は、西郷隆盛が好んでよく使い、揮毫した言葉だそうです。
京セラグループSITEにも、見事な墨跡が掲げられております。

そして、私は以前、事務所近くの料理屋で、お店の心構えを現代的な墨筆文字で表現した色紙が飾ってあるのを拝見した時に、このお店のあるじも、気持ちは経営者・一国一城の主なんだと思いました。
このややPOPな軽い面持ちの色紙にも、前述した日本の墨文字文化がしっかり受け継がれているのだと感じました。


3)京終サロン・墨絵体験教室

前回のスペシャルゲストウィークをふり返りつつ、
第十夜 〜女流歴史プロデューサーが語る思い 〜ゲスト:六龍堂 早川知佐さん
第十一夜 〜京終さろん・歴史で繋がる地域 〜ゲスト:安西俊樹さん

京終サロン、朱・てんこくのお話し
墨絵体験教室のふり返り、奈良筆体験〜奈良工芸館、びっくりうどんの話題など。

360°プロジェクションマッピングin高松塚古墳〜よみがえる四神〜の紹介。


■奈良に春を呼ぶ行事、お水取り始まりましたね。次回は、再び月与志の墨絵ライブ中継、炎のように荒々しく行きます。


ライブ放送を見られなかった方は、番組アーカイブでお楽しみください。

Ustream
【月与志のカルチャー夜話】第十二夜 〜春待ち月・書と墨絵と映像の小作品


奈良の今を伝えるインターネット放送局 DEERs Nara Channel 生放送の番組です。
ご試聴は番組HPよりライブ放送をお楽しみください。
http://www.deers-nara.com/


月与志のカルチャー夜話 一覧ページができました
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posted by 月与志(tsuyoshi-jp) at 03:33| Comment(0) | 月与志のカルチャー夜話
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