2019年09月25日

感想:北野天満宮 信仰と名宝―天神さんの源流― at京都文化博物館

こちらは2019年初春に訪れた「北野天満宮 信仰と名宝―天神さんの源流」展の感想blogです。
昨日、菅原道真公をテーマに落書き(つきよみ名義のイラスト)を描いたもので…あわせて記事にしようかと。


初音ミク水墨_道真Vr.jpg

道真公、月夜に初音ミクを見る by月詠【初音ミク × 京都 三十六画仙イラストコンテスト 参加作品】

今より少し昔、京の都に、詩(うた)を志す少年がおりました。
美しく澄み渡った月が雪のように輝く夜、花の香りに誘われた少年が庭に出てみると、梅樹の下、美しい調べで歌っている少女に遭遇しました。
そのあまりの優雅さに少年は心動かされ、筆を走らせて、一遍の詩を書き上げました。

月耀如晴雪(げつようせいせつのごとく)
梅花似照星(ばいかしょうせいににたり)
可憐金鏡転(あわれむべしきんきょうてんじて)
庭上玉房馨(ていじょうにぎょくぼうのかおれるを

少年がその少女に名を訪ねると、一言「美玖」とだけ言い残して、たちまち輝く星に包まれて姿を消し、梅の花の香りだけが残りました。

その夜から少年は沢山の優れた歌を詠み、後に京の都を一世風靡する詩歌人になりました。
大人になった道真公は、あの夜の少女との出会いに感謝して、梅の木のあった場所に神社を建立しました。
それから色々あったけど後の世に学問の神さまとして崇められるようになりましたとさ。〜初音美玖天神縁起より

えーもちろんでっち上げのお話ですが(´ω`)
菅原道真公が十一歳で作られたという漢詩がステキすぎたので、引用させて頂きました。

鏡のように輝く月の夜、真っ白な冬の寒さに薫る梅の花を讃えるちょっとしたポエムだけど、漢詩など読んだ事の無い私にも分かる美しさ!
〜月の耀くは晴れたる雪の如し・梅花は照れる星に似たり
デビュー作からとは、どんだけ梅の花が好きやねんって話ですよ。

※ちなみに初音ミクとは…ゼロ年代にネットカルチャーに親しんだ世代には絶大な人気を誇るキャラクター・ボーカロイドです。


さて、展覧会の感想ですが
北野天満宮 信仰と名宝 ―天神さんの源流―|京都文化博物館公式ページ

菅原道真公の事は今まで「学問の神さま」ぐらいにしか思っていなかったのだけれど(あと、神のまにまにの人とか)
こちらの展示の冒頭で紹介されていた漢詩(前述)がもう素敵で、心掴まれました。
続いて、宮廷の舞姫を優美に官能的に讃えた歌、なにげに女子力高いwうーんイメージ変わりましたね。

平安朝きっての秀才・和魂漢才・文武両道。
昨今の空海さまのようにイケメン化ブレイクは必至ですw

そんな道真公を描いた一代ストーリー北野天神縁起絵巻の本物を拝見。
土佐光信筆以外にも色々あるんですね。テーマは同じでも時代ごとの画風が様々で見応えありました。
道真公を描いたプロフも定番だったらしい。
それと中世の仏画〜毛のような超極細の線で描かれていて驚きでした。

さて、縁起絵巻で語られるのは、学問の神さまのもう一つの顔。
宣伝ビジュアルでも使われていたあの鬼神は、恨みを抱いて亡くなった道真公の代わりに都に祟りを成しているの図ということ。
天神さまの眷属、ブラック道真。そういう読み方をするとまた違った物語になるなぁ。
(しかし今思うと…涼殿落雷の図…真っ黒な黒煙、燃えさかる炎に逃げ惑う人々…さぞ怖ろしい出来事だったことでしょう。いくら恨みとはいえ、暴力は絶対いかんですよ道真さま…)

また、北野天満宮という場所の歴史も知る事ができました。
室町時代は「連歌」の拠点。
安土桃山時代は、豊臣家との関わりが多くみられます。

なんと言っても、秀吉さん主催「北野大茶の湯」御触書の立て札がありました、本物!
北野天満宮境内にて大規模な茶会を開く、茶湯・数寄執心の者(茶の湯マニア)は身分・出自を問わず参加せよ、というあれです。
その他秀次公の御触書、秀頼公の寄進記録など。

江戸時代以降は「天神さん」「学問の神」として広く信仰されるようになり、寺子屋などでも分社が祀られたそうです。

なお、展覧会の目玉のひとつは伝説の刀「鬼切丸 別名髭切」昨今の刀剣人気で人だかりができていたような。
でもじっくり拝見したのは、海北友松の水墨画「龍」!でかい!晩年繊細な美しい水墨を描いた友松も龍を描く時はかくも荒々しい筆致かと。
海北友松(かいほう ゆうしょう)は明智光秀の重臣斎藤利三との交流で知られる武家出身の絵師。何度も言ってますが来年の大河ドラマで登場を期待。

というわけで、菅原道真公と京都の歴史文化に浸るディープなひとときでございました。


あと、これは展覧会にはなかったのですが、この時代、出雲の阿国がかぶき踊りを盛んに上演していたという話があります。

初音ミク水墨_おくにVr.jpg

初音ミク歌舞伎踊り by月詠【初音ミク × 京都 三十六画仙イラストコンテスト 参加作品】
今より少し昔、京の都では、かぶき踊りが大人気だったんだってねぇ。
派手な身なりと立ち振る舞いで「かぶき者」に扮した、我らが初音ミク姐さんが、茶屋の女将を口説く舞台さ。

茶屋のおかかに七つの想ひよ
ひとつふたつは痴話にならぁ
のこり五つは、みな恋慕ぢゃァ

北野天満宮で盛んに演じられたこの「歌舞伎踊り」が、後に形を変えて歌舞伎となり、今に伝わっているんだってねぇ。
そして21世紀の初音ミク姐さんが、歌舞伎を超える「超歌舞伎」に挑むって訳だ。面白いねぇ。
※こちらもでっちあげ偽史というやつですご注意w


さて、京都文化博物館では2019年10月から「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」が始まるそうで、ミュシャに影響を受けたグラフィックやイラストまでカバーするというのでこれは興味深い。

秋は佐竹本三十六歌仙絵にも会いたいしなぁ。
仁和寺では修復された観音堂障壁画の特別公開もあるし…。

京都文化博物館さんは、西尾維新展で結構久しぶりに訪れてちょっと印象が変わりました、京都に根ざしたサブカル方面も期待します。
感想:ぱないの!西尾維新大辞展〜京都篇 at京都府京都文化博物館

なんでも最近京都アニメーションさんの映画ポスターを展示しているそうで。支援募金箱も設置されています。
そして煉瓦作りの建築は、C.H.郵便社(ヴァイオレット・エヴァーガーデン)のモデルなんだとか。
次、京都に行くまでに見られたらいいなぁ。

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posted by 月与志(tsuyoshi-jp) at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想:古典
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