2019年03月04日

感想:大亦観風『万葉集画撰』を辿る at奈良県立万葉文化館

地元奈良の明日香村に、奈良県立万葉文化館という施設がございます。
日本最古の歌集『万葉集』をテーマにした文化施設で、特にこちらの「万葉ミュージアム」では個人的に興味深い展示がよく行われておりまして、よく通っております。

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明日香村はどの季節に訪れても自然が美しく、穏やかな風景が広がってほっとできる大好きな土地です。
花と風景のスケッチをするようになってからは、万葉文化館の、万葉の草木を植栽したという庭園がお気に入りの一つです。

そして「万葉ミュージアム」は非常に広く、大きい規模の美術展示が地元でも見られるという、中南和地域の日本画好きにはありがたい施設ですね。

私の記憶に残っている中では、改装中の京都市立美術館から巡って来た「特別展 京都市美術館名品展 美人画100年の系譜 美の継承―万葉日本画へ続く流れ」にて、京都画壇の名作をたっぷり拝見、これはとてもありがたかったなぁ。

そして現代日本画家の三瀬夏之介氏の展示。巨大な作品群鑑賞は万葉文化館の広いスペースあったればこそ、でした。

定番の万葉日本画コレクションも、毎年の楽しみのひとつ。
Rp:すべて見せます万葉日本画〜風景〜at奈良県立万葉文化館

その他、万葉集とその時代をわかりやすく紹介する展示室や、情報図書館、ミュージアムショップ、調査・研究を行う万葉古代学研究所もある、とか。

近辺には古代ロマン漂う飛鳥の名所がありますので、巡り歩く拠点にするのにも良いですよ。古代の魅力に触れにぜひ一度訪れてみてください。

2001年9月15日に開館。“万葉のふるさと”である奈良にふさわしい総合文化拠点を設置の趣旨として整備され、古代文化の魅力を視覚的にわかりやすく紹介する。
奈良県立万葉文化館

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さて、やまと歌に興味を深めている今日この頃の私ですが。
墨絵アートてぬぐい〜2019早春・椿・梅・龍虎

「万葉集」の世界をもっと深めたい、という今の気分にぴったりの展示がございました。
以下、いつものノリの感想でプルンす(´ω`)

【大亦観風『万葉集画撰』を辿る】

画・書一体の美しい万葉画を拝見できると期待して行って参りました。
日本画家 大亦観風(おおまたかんぷう)氏が万葉学者と相談して内容を検討、じっくり構想を立てた後、日本全国の万葉縁の地を巡ってスケッチを重ね、昭和15年(1940年)完成させた、それが「万葉集画撰」(まんようしゅうがせん)でした。
冒頭では芸術性の高さを第一に考え、物語の挿絵や風俗画とは一線を画するものというような事が述べられていました。

恥ずかしながらよく知らなかった万葉集の世界を全七十一図の絵と書でひととおり体験。
大君が娘にコクる「名告らせね」の冒頭から、大和三山サンカク関係相争い、実は戯れの恋歌?紫野行き標野行き、天の香具山の衣はほすてふに非ずほしたり、不尽の高嶺は真白にそ、ラップ調のヲくララは今は罷ラム子泣くラム、大仏開眼、古代らしい大らかというか赤裸々すぎる愛の歌から、貧しさに負けた世間に負けたのフォークソング、海は死にますか山は死にますかの防人の歌まで、いろいろ違うけどだいたい理解しましたよ!万葉の世界(おい)

そんな調子で楽しく見ていたら様子が変わったのが展示のクライマックス辺り。
万葉集編者といわれる歌人大伴家持(おおとものやかもち)の長歌「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の辺にこそ死なめ かへりみはせじ」大和朝廷以来天皇家を守る武門の家柄、大伴氏らしい歌なのですが、これが先の大戦中に国民精神を鼓舞する国民歌謡「海行かば」として引用されたといいます。

そして最後の歌「新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事」を、皇室の繁栄を願う言祝ぎ(ことほぎ)として締めくくられておりました。万葉集画撰は紀元二千六百年記念行事として制作されたといいます、古事記と同じく、長く続く伝統的な文化にはこういった時代があったという歴史的事実を知っておく必要がありますね。

それはともかく、少し聞きかじっただけでは分からない奥深き万葉の世界。
せかっく奈良に住み、近隣に立派な施設もあるのだから、少しずつ作品とともに深めて行きたいなぁ。
まずは、万葉の花から。

おでかけスケッチ〜秋の草花

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2019年4月1日追記
新しい元号が「令和(れいわ)」と発表されました。万葉集由来だそうです。
典拠は奈良時代に完成した日本に現存する最古の歌集「万葉集」。日本で記された国書に由来する元号は確認できる限り初めてとなる。
万葉集にある歌の序文「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」(書き下し文)から二文字をとった。
〜朝日新聞ニュースより

早速「令和」をテーマにした作品を作りたいと思います。

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posted by 月与志(tsuyoshi-jp) at 22:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想:古典
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