■奈良では「第69回 正倉院展」
キービジュアルはひつぢさん(´ω`)描けるかなぁ…
→「第69回 正倉院展」2017年10月28日〜11月13日
そして今年も、墨絵手ぬぐいを朱鳥さまブースに出品いたします。
奈良、正倉院展に相応しい絵柄を構想し、只今絶賛制作中。
今年は特に力が入っておりますので、どうぞお楽しみに。
昨年の様子→第68回正倉院展始まりました/墨絵てぬぐい

奈良国立博物館は毎年とんでもない賑わいになるのですが、今年はお隣の京都もまた凄い事になりそうですよ。
■京都の国宝展で水墨画の名品を
この記事を書いてる時点で始まっていますが、10月3日から全四期に分けて200点の国宝が集結する展覧会が始まっています。
→京都国立博物館 特別展覧会「国宝」
最近の月与志が最も関心が深い「水墨画」
その日本における流れ〜影響をうけた中国絵画と室町将軍家の東山御物の展示。
中世絵画では、雪舟・長谷川等伯・狩野永徳など和様化する水墨画の流れ。
画聖と名高い雪舟の数少ない真筆、国宝六件が展示されるという人呼んで「雪舟揃い踏みルーム」は刮目必至。
とりわけ最も楽しみにしているのが、牧谿(もっけい)の「観音猿鶴図」
室町期に南宋より伝わり、以後多くの絵師に多大な影響を与えたという、日本の絵画のまさに原点的な一枚だそうです。
※特にこの猿図は、等伯、雪村、式部輝忠など多くのフォロワーを生んだということで、人呼んでおさるフレンズ(´ω`)とも
私はまだ図録で見ただけですが、あまりの神業っぷりに震えました。
ふんわりやわらかい空気感、リアルな実在感、しかしながらいわゆる写実とは明らかに違う絵。このような絵画が中国に存在したとは…(南宋は絵画黄金期だったにも関わらずその多くは失われ、牧谿の絵も日本に残るのみ、だそうです)
皆きっと牧谿のこの作品の描く世界に憧れたのでしょうねぇ、まさにその時代を代表するアンセム。
ひょっとしたらそれが出発点となって日本好みの和様が形作られていったのやも。
以前、京博で鳥獣人物戯画を生で拝見した時に感じたのですが、
→墨絵の金字塔、鳥獣人物戯画を拝見してきました
図録などでみたものとは全然印象が違うんです。うさぎやかえるが本当に魂が宿っているように見えました。
印刷では再現出来ない微妙な階調、描いたかどうか分からないぐらいの気配の一筆が重要なのでは、と思います。
それが水墨画の最も肝要な、活筆、活墨、生命の喜びを描くという事に繋がるのかな、と。
そんなわけで、生で拝見できるのが非常に楽しみです。
訪問前の予習にBRUTUSを購入しました。国宝が複雑に入れ替わる全四期にいつ何がみられるのかのパーフェクトなガイドが付録。そして、春の京都博物館の「海北友松」展で素晴らしいガイドを披露してくださった橋本麻里さん(永青文庫副館長)による特集なのでとっても信頼感あります。
ところで、とんでもない絵師の「神業」は、大阪あべのハルカス美術館の北斎展にも来てますね。
■葛飾北斎のホントに凄い晩年の肉筆画
北斎というと浮世絵があまりにも有名で、世界で最も知られた日本の芸術家ですが、
こちらではその後半生、浮世絵から離れてよりディープに芸術世界を深めた北斎の世界が見られると期待してます。
→大英博物館国際共同プロジェクト 北斎 ―富士を超えて―
以前、小布施の北斎館で実際に肉筆画(絵師が自筆で描いた絵)を拝見したのですが
→信州小布施 北斎館に行ってきました
いやー神の領域とはよくいったものですね。
もちろん版画の浮世絵は素晴らしい世界です。モダンを先駆けた理知的な構図は、後にヨーロッパの近代芸術に影響を与えたといいます。
※北斎のグレートウェーブからドビュッシーの交響曲「海」が生まれたり、歌川広重の浮世絵を、フランク・ロイド・ライトが崇拝していたり…凄いですねぇ。
しかし北斎晩年の肉筆画は、もうそれとは次元が違う世界を極めようとするがごとくです。
日本の中世絵画は、中国絵画の影響から出発して、上方、江戸で、公家・武家・町衆の間で独自の発展を遂げたのですが、とくに北斎が活躍したほぼ幕末頃は、西洋絵画の技法を吸収して大衆絵はさらに凄い事になっていたんだなーと。
北斎の肉筆画はその最先端だったのでしょう。こんな絵がこの世にあったのかって程の驚きですよ。

※すいません、こちらは小生の愚作です
この秋は、数々の神業に触れ、インスピレーションを絵筆に込めて制作に励みます。
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