2017年05月22日

感想:大エルミタージュ美術館展 at森アーツセンターギャラリー

春の東京"ヲノヴォリ"旅行…ぢゃなかった、美術館巡りの記事です。

今年は興味を持ってみたい、西洋絵画とヨーロッパの歴史。
というわけで、ミュシャ展のお隣「草間彌生展「わが永遠の魂」」を華麗にスルーして、
大エルミタージュ美術館展@六本木・森アーツセンターギャラリーへ。
クラーナハルーベンスといった古典の巨匠(オールドマスター)の絵画と、中世ヨーロッパの絵画の流れを観てきました。

IMG_2479.JPG

IMG_2240.JPG
前回の記事→感想:ミュシャ展 at国立新美術館

大エルミタージュ美術館展 オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち
2017年3月18日(土)−6月18日(日)
名古屋。神戸にも巡回するそうです


IMG_2455.JPG

こちらはエントランスでお出迎えくださいます、エルミタージュを設立した女王様。
ロマノフ王朝最強の女帝と謳われたエカテリーナ2世の肖像だそうです。

帝政ロシアの都として栄えたサンクトペテルブルクの美しい宮殿を中心に存在するロシアの国立美術館「エルミタージュ美術館
その始まりは、エカテリーナ2世が収集したヨーロッパ絵画のコレクション。
絵画・美術品の収集は王侯貴族の道楽ではなく、国家の威信がかかっているそうです。

今回の「大エルミタージュ美術館展」でスポットが当たっているのは、オールドマスター
オールドマスターとは「16世紀ルネサンス時代のティツィアーノ、クラーナハなどから17世紀バロックのレンブラント、ルーベンス、ヴァン・ダイクなどを経て、18世紀ロココのヴァトー、ブーシェなどに至る巨匠たち(公式サイトより)だそうで、まさに古典西洋絵画!という濃密さでした。どちらかというと西洋美術""好みの、一般人にはあまり知られていない作家が中心のように思います。

公式サイトには、絵画収集の歴史や、名画の裏側に隠された想い、皇帝の嗜好などを知ることも、鑑賞の楽しみの一つといえるでしょう、とありました。
美術鑑賞も奥の深い世界ですね〜と改めて。

私はこちらは初心者ですので、例によって独断と偏見にみちた記事を展開したいとおもいます。
今回は西洋絵画をディスるところもあるので、ここから先は読まなくてもよいですよ〜。


■西洋絵画のむつこさについて

私、実の所古典的な「西洋絵画」があまり好みではありません。どうにもこうにも「むつこい」ぢゃないですか(むつこい※四国方言で味がしつこい・脂っこい)
精密な写実的表現はよいのですが、見えるありのままの現実を描き尽くそうという、西洋画家の執念深さともうしますか…。過剰すぎる描き込みが重いというか…。
絵によってはそんな視点がグロテスクでさえあります。パラノイアというか「ほとんどビョーキ」(古い)っすね。

私の好きな中世の日本絵画・東洋画の美しさは、現実そのものを描くことを目指していない…そこに大きな隔たりがありますね。
美しいものはより美しく…そうでないものはそれなりに…(これまた古い)

しかし今年は、食わず嫌いを改め「西洋絵画」にも目を向けてみようと思っています。
その初めの一歩「大エルミタージュ美術館展」にて、早速ながら西洋古典絵画はくどくて退屈だと再認識した次第です。


■ディスってばかりは何なので

少しはいいところも見つけました。
西洋古典絵画の魅力はなんといっても人物の「肌の美しさ」ではないですか?
ふくよかなマリアからぷにぷにの天使達まで、西洋人の透き通るような肌の色をとても美しく描きあげていますよね。

番組(月与志のカルチャー夜話 第129夜 〜ヲノヴォリ!トーキョー2017)では「肌フェチ」といささかきわどく表現しましたが、これらの表現が発達したのは理由があるのだろうと思います。
宗教絵画、フェチを極めると「神が降臨」する?
そして時代を下っていくと、次第に「髪」の表現が魅力的に、服装も豪華壮麗過美となり、ロココの頃にはもうファッショナブル!VOGUEですかってレベル。すっごーい!

しかし西洋絵画は何を目指してこのように発展していったのでしょうか?
日本の美術では人体へのフェティッシュなまなざしは、浮世絵以前はあまり思い浮かびません(仏像彫刻ぐらい)

IMG_2479.JPG

■クラーナハとヌード絵画

展覧会のメインビジュアル「リンゴの木の下の聖母子」のクラーナハですが、イタリアルネッサンスの時代、ドイツでヌード絵画を流行らせた人物だそうです(日美で見ました〜クラーナハの誘惑)
工房で貴族に人気の絵画を次々生産した、やり手の実業家の側面もあったらしい。
人気の秘密は、神話などに取材したスペクタクルな画題、サスペンスな雰囲気、妖しくも美しいヌード!ヌード!ヌード!という、まるで現代のB級娯楽作品のような…。
西洋は信仰やパトロンの為の絵画だけではなく「売るための絵画」が中世すでにあったというのがびっくりですね!(まぁ騒ぐほどでもないか…)


■近代絵画のあっさり和風な味わい

むつっこい西洋絵画も、近代以降はあっさりとした美しさに生まれ変わり、ミュシャの時に触れた「アールヌーボー」や、印象派などはとても好みです。
19世紀末の「ジャポニスム」ブームで、東洋美術のエッセンスが西洋に注入されたお陰でしょうね。
革新の時代を迎えた近代の主役・都市民に好まれた新しい「美」は、さらに抽象化・モダンに進化していきます。
王侯貴族のお宝、エルミタージュやルーブルの名品は、美術館とともに市民の共有財産となり、古典絵画として新しい価値に変化した、という流れですね。

それにしても、ソビエト連邦時代にエルミタージュは無事でよかったですね。ブルジョアジーの優雅な愉しみなど焼いてしまえーってならなかったんですかね?その辺さすがヨーロッパということでしょうか。


■ヨーロッパ諸国の歴史と絵画

展覧会では、時代・国ごとに展示分けされていたので、理解が深まりました。
イタリア、オランダ、フランドル、フランス、ドイツ… 時代ごとに勢いの盛んな国があり、そういった社会情勢とそこで生まれる絵画に深い関わりがある、ということが分かるものでした。
えーと、これから機会をみつけて勉強していきます。とりあえず今回はこんなもんでー。

IMG_2465.JPG
森美術館ではこんな展覧会も同時開催。大衆美術ですかね、特設会場のフィギュアもよく売れている様子でした。

IMG_2453.JPG
六本木ヒルズ。東京の最先端スポットの一つ、という印象でした。やっぱり凄い。

IMG_2350.JPG
ところで今回東京巡りで訪れた「中野ブロードウェイ」は、1970年代に東洋1のビルと言われたそうで、当時は今の六本木ヒルズのような存在だったのでしょう。
そして、40年を経た今「サブカルチャーの聖地」と呼ばれています。
六本木ヒルズは40年後どうなっていることでしょうね?

東京巡り編、次は「すみだ北斎美術館」「弥生美術館・長沢節展」に続きます。

月与志site
http://tsuyoshi-jp.com

Facebook Artist page「月与志」
http://www.facebook.com/tsuyoshi.art

月与志のカルチャー夜話
http://tsuyoshi-jp.com/activity/media/culture_yawa.html
posted by 月与志(tsuyoshi-jp) at 03:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想:古典
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/179815207
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック