■青龍



■白虎



■朱雀



■玄武



こちらは、ご注文で描いた鳳凰です。


コロナ渦で沈んでおりましたこの数年、それでもこつこつと画力を磨いておりました。
その成果が多少は出ているように思います。
長らく晒生地(てぬぐい)に描いて来ましたので、独自のニュアンスの線を様々に表現できるようになりました。
今回はその集大成になったと自負する所です。
どうぞ、直書きの作品をご覧下さい。
私としてはようやく、目指していた画の世界観に近づけたと思っています。
それは、微妙なバランスで成り立つ、繊細な画の世界。
いわゆる、和風、という感覚です。
例えば、最近とても美味しく感じるようになった「和食」
一つの要素が強く主張すると、とたんにバランスが崩れるというような、絶妙なハーモニーで成り立っている味。
さらに味だけでなく、目でも楽しめる要素が、調理法や器、盛りつけにまで考えられています。
そしてお茶席ともなれば、その時に過ごす時間の事まで考えられ、大切にされるのは“和する心”
そんな和の世界に親しんでいるうちに、和風とはどのようなものかと考えるようになりました。
大和風の絵の様式、といえば私は、江戸時代の狩野派、特に狩野探幽が確立した武家の様式美なのだと思っています。
それと、平安の雅をオマージュした京の町人文化が受けついた、淋派の美。
それらのエッセンスを、明治以降の日本画家、大正ロマンの挿絵画家、昭和モダンの宣伝美術家などが受け継ぎ発展させ、今日の私たちが受け取っているような感覚。
それらがなんとなく“和風”と思っている感覚ではないかなぁ…と考えてみました。
そんなわけで、龍や虎といった霊獣…大陸から渡ってきた猛々しいモチーフを、やまと絵的なやわらかさと、すっきりした構図で描き表し、少し現代的な空気も織り込めればいいよね、という意識で描いています。
しかしながら大和の絵は、平安の雅ばかりではありません。
安土桃山の奔流する豪快な画風の時代もあれば、江戸のサブカルチャーともいうべき浮世絵の世界、さらに奇想の画家の系譜もあり、心惹かれるものが沢山在ります。
私もまだまだ、沢山見て学んで、追求してみたいです。



納品で久しぶりに奈良公園へ。
紅葉が美しかったです。
月与志site
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