気がつけばもう初夏のような暑さですが、いかがお過ごしですか?
出遅れましたが、春のスケッチをモア情報付きででご紹介したいと思います。
例によってくどくど長いですがw
最後にきらやば☆な告知もありますので、最後までお読みあれ。
【おでかけスケッチ〜嵯峨野・嵐山】昨年の
大原三千院が大変好評だったので、今年の春の遠征も観光名所へ。
前回も書きましたが「
嵯峨野・
嵐山」へ行ってきました。
参考→
お出かけスケッチ〜京都大原三千院
代表的なランドマーク、
渡月橋のある風景を描きたかったのです。
私が学生の頃は、この辺りはタレントショップがひしめいていたのですが
(北野印度会社の福神漬けとか)バブルとともに去りて諸行無常、今はすっかりお洒落になった感です。

ちょうど開催中の
三船祭に遭遇。平安時代の雅に触れました。
古より風光明媚な土地だったため
嵯峨天皇の時代より貴族文化が栄え、今に至るとか。

竹林の道から野宮
(ののみや)神社へ。
樹皮ごと原木をまるっと使った「
黒木の鳥居」。
形としてのみは日本最古の鳥居形式を伝えているとか。うう、奈良の面目が…w
伊勢神宮の斎宮
(巫女)に選ばれた皇女が、伊勢に行く前に身を清めた場所だそうで。
源氏物語にも登場する神社…どんなシュチュかだいたい想像がつきますねぇ…光殿w
嵯峨野は平清盛からの寵愛を失った
祇王(ぎおう)ゆかりの地、だったり。
(祇王の夢と祇女の涙〜♩という歌が好きでした…白拍子の姉妹の名だったのですね)
小倉山は
百人一首の生まれた地だったり。
(藤原定家がこの地に小倉山荘を造営し小倉百人一首を撰んだと伝えられる)所々で
清少納言に出会ったり
(本人ぢゃないよw)さすが京都の名所という歴史的奥深さです。
さぞかし趣深い体験をしたかのように書いてますが…実際は観光客だらけですし、一歩あるけばお土産物や甘味の誘惑に絡めとられ…まぁ情緒とはほど遠かったなぁ、ぐはっ
そこに行くと奈良は、観光化がいい意味でまだ緩やかで、情緒を感じられる土地が沢山ありますよ。
【春は桜を求めて奈良巡り】春の花を求めて今年は取材を重ねました。

奈良の大仏で有名な東大寺庭園の桜

萬葉植物園の藤苑

こちらは明日香村の飛鳥寺。蘇我馬子により創建された日本初の本格的寺院です。
「奈良には二つの大仏しか存在しない、飛鳥大仏か、飛鳥大仏以外か、だ」(名言風に言ってみた)
葛城山の躑躅(つつじ)登山した日はまだつぼみでしたが。
これら花を求めて旅した成果がこちらです。
【おでかけスケッチ〜春の花々・桜・山吹・藤・躑躅】【自然の桜〜ヤマザクラ】奈良
吉野山・京都
嵐山の桜など、古く和歌に詠まれる桜はヤマザクラ。
万葉文化館で美しい近代美人画の精華を見ましたが、古典で愛され描かれるのは
ヤマザクラですね。
対してヤエザクラなど人里に咲く人工品種は
サトザクラと呼ばれる。
派手で人目を惹く園芸品種は人気があるけど、和花は控えめで儚いからこそ美しい。
とはいえ、今時の萌絵なら
ソメイヨシノがふさわしいのだろうね。
青丹よし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり 〜小野老 万葉集都から遠く離れた土地で詠んだ望郷の歌だそうです。
咲く花が桜とは限らないけど、現代のイメージではこの歌は桜を連想させるので、あわせました。
青丹よしは「なら」にかかる枕詞。ならも沢山の当て字があるね、平城・寧楽・那羅…
【奈良の都のヤエザクラ】八重桜(やえざくら)は八重咲きになるサクラの総称。ボタン桜とも呼ばれる。
野生のヤマザクラ等と比べると、ボリューミーで豪華な印象です。

桜を詠んだ最も知られた和歌は百人一首にもあるこちら。
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな 〜伊勢大輔当時もう既に古都だった奈良より、平安京の宮中へ珍しい八重桜が献上された時に詠まれたとか。
作者は藤原道長・一条院・紫式部と関わりがあった
伊勢。
ちなみに
ナラノヤエザクラという貴重な品種も奈良公園には点在しているそうです。
【山吹】春の終わり頃に明るい黄色が鮮やかなヤマブキ。
万葉集に山振
(やまぶり)と詠まれている、古くからの日本原産種。
古歌では「蛙〜かはづ」とともに詠み合わせられるとか。
山吹の 立ちよそひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく 〜高市皇子 万葉集山吹の黄色と、清水の湧く泉で「黄泉」
(よみ)を暗示しているといわれます。「
壬申の乱」に運命を翻弄された高市皇子と十市皇女にまつわる悲しみの歌です。
【八重山吹】庭栽培で好まれる八重咲きの山吹。
バラ科らしい豪奢な雰囲気の八重は庭に植えられているのをよく見かけます。
古歌に詠まれるので古くから存在していたようで、最も有名なのは、江戸城を建てた大名、
太田道灌と
八重山吹の逸話。
その元になった歌は、八重山吹の花は実を結ばないことを詠んでいる。
七重八重 花は咲けども 山吹の みのひとつだに なきぞあやしき 〜兼明親王 後拾遺和歌集後の世で太田道灌の逸話として引用され「悲しき」と改変された模様。(逸話は正直ぴんとこないので割愛)
あ、山吹といえば時代劇でおなじみ「
やまぶき色の菓子」ですかね。
【万葉の時代から愛された藤】古より親しまれた藤の花は日本原産。
真っ先に思うのが春日大社の銘木〜
砂ずりの藤に代表される藤棚。
GW頃に見頃となる
萬葉植物園の藤苑、今年も見事でした。

春日大社の神紋は「
下がり藤」平安貴族 藤原氏の象徴。
源氏物語でも藤や紫色は重要な使われ方をしている気がします。
また武家の世では、黒田家の家紋「
藤巴」が有名。
時代下って「
藤娘」
男らしい「松」に絡み付く艶っぽい「藤」
庶民の間では色恋事の遊女や精霊として藤のイメージが定着していたようです。
藤は豆科のつる性植物。
房の長いノダフジと、房の短いヤマフジ。
植物園では様々な品種をみかけましたが、まずはこれで。
恋しけば 形見にせむと わが屋戸(やど)に 植ゑし藤波 いま咲きにけり 〜山部宿禰赤人 万葉集恋歌…とおもいきや、霍公鳥
(ほととぎす)を恋しいと詠っているらしい。
藤波
(ふじなみ)は藤の花が風で波のように揺れ動いているよという、万葉人が生んだ表現なのだとか。
【春の最も身近な花 ツツジ】公園や街路で多く植えられているツツジ
(躑躅)目にする機会も期間も多いので、ある意味最も身近な花かも。
子どもの頃に蜜を吸った思いでがありますが…毒性分があるそうです 汗)
一部の花びらだけ斑点がある場合がありますが、これは昆虫に蜜腺があることを伝える「
蜜標」なのだそうです、へー。また、白とピンクが同じ株から咲く現象も時々。

万葉の頃から栽培されていた品種ですが、こちらもまた品種が多種多様でむずかしい〜。
より派手な種が「
シャクナゲ」、外国産は「
アザレア」とぐらいしか
(間違ってるかも)躑躅色は鮮やかな赤紫色。俳句では「
躑躅燃ゆ」
(鮮やかな赤紫色に染まる様子)和歌では「
躑躅花」
(つつじばな)=「花のように美しい君」
(にほえをとめ)と連なる意味があるそうですが、
ここではあえて万葉集よりこの歌。
水伝ふ 礒の浦みの岩つつじ 茂く咲く道を またも見むかも 〜日並皇子宮舎人こちらは早逝した草壁
(日並)皇子
(父:天武天皇 母:持統天皇)の追悼歌。
飛鳥にあった皇子の宮の庭に咲くつつじを詠み、亡き主を忍んでいます。
前回→
おでかけスケッチ〜冬から早春の花〜水仙・梅・桃・桜これらの花のいくつかは、ブラッシュアップして作品として仕上げている所です。
6.11追記:リリースしました
→
墨絵アートてぬぐい〜2019春夏・藤・山吹・八重桜前回→
墨絵アートてぬぐい〜令和をお迎えする・梅桃桜そして最近は部屋に花を飾って写生なども始めました。
出回るのは旬の今だけという話にのせられてw購入した、
芍薬(シャクヤク)。大きな複数の花びらに迫力、色や造形になんとも気品を感じます。

さて、初夏の花といえば、花菖蒲
(ショウブ)、紫陽花
(アジサイ)、そして百合。
今日庭にお迎えしました。花が咲くのが今から楽しみです。枯らさないよう手入れせねば。
【龍dress】そして、おまたせしました告知です。
月与志の
「龍」墨絵が、女性向けの華やかなドレスになりました。
ファッションデザイナーさまのショップで間もなく販売開始されますので、続報をお待ちください。
月与志site
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