2016年08月29日

Rp:山本二三展 リターンズ at神戸ゆかりの美術館

国民的アニメスタジオ・ジブリの名作映画で、あの天空の城や、もののけの森を描いた山本二三さんの作品展です。ジブリの歴史的名作を支えた背景画を拝見して参りました。

山本二三展 リターンズ 〜天空の城ラピュタ、火垂るの墓、もののけ姫、時をかける少女〜

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展覧会をみて理解した所を述べますと、背景画とは…アニメーションに多くの情報を持ち込み、空気やムードを表現し、リアリティと世界観を構築するものだと感じました。

作品ごと年代順に並べられた背景画をみていてまず気づくのですが、背景画には主役が不在なのです。
例えば風景を描いた絵画でも、普通は絵の主役がいるものですが、これらの絵には主役が不在です、というよりも、主役はその上に重ねられるセルで描かれたキャラクターなので、アニメ作品になって初めて完成する、ということですね。

しかしながら、主役が描かれていないこれらの背景画にも、何か強く訴えかけてくるものを感じました。
主役あっての背景ですが、そこには背景(目にとまらない景色)としての主張(季節感・空気感・地域性・時間・ムード)がしっかりと描き込まれていて、アニメ作品の世界観や舞台の設計を担っていると理解しました。

それにしても確かにもののけの森は神がかっていましたね。
天空の城やもののけの森のファンタジックな世界が、とてもリアルに感じられたのは美術の力が大きいと思います。

じゃりんこチエでは、高畑勲監督と共に大阪の下町を実際に寝泊まりして取材したとか。
火垂るの墓(高畑勲作品)はさらにつっこんで、戦争前後の神戸を取材して、物語の舞台を空気ごと再現したのだそうです。

時をかける少女(アニメ作品)は、現代の日常を描いていても、時間の経過やムードがドラマティックでした。

物語の主役たちを生かすために必要不可欠な背景画。ちょうど、映画の美術や、演劇の舞台装置に近い存在かもしれませんね。

最近、スタジオジブリで活躍されたアニメーター近藤喜文展を見ておりますので、あわせて理解が深まりました。
Rp:この男がジブリを支えた。近藤喜文展

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なお、六甲アイランド内にある神戸ゆかりの美術館は、神戸ファッション美術館の隣にあり、ファッション美術館ライブラリーという施設がありました。
国内外のファッション関連の蔵書や20世紀初頭からのファッション雑誌のバックナンバーがあり、関西ではすごい所ではないでしょうか。

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【Rp:ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞 at神戸市立博物館】

江戸浮世絵(あずまにしきえ)のツートップ、前代未聞の揃い踏み!ということで、
江戸後期の人気絵師、歌川国芳と、歌川国貞による錦絵170枚を、すべりこみで神戸市立博物館にて拝見。

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神戸市立博物館 特別展 ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞

国芳の武者絵はやはり特別ですねぇ!豪快な絵に才能と個性が感じられます。
みなぎる力感、躍動感の表現は独特で、やはりご本人の感性が前面に出ているのだと感じます。

その一方洒脱というか今で言うゆるい感性も併せ持っていたようで、戯画の分野でさまざまなデフォルメキャラを描いています。
特に人気のゆるぬこはグッズ化され現代のネコ愛好家にもヒットしている模様。

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国貞の歌舞伎役者絵は、江戸歌舞伎のお約束とか知識がないと深く理解できないので、残念ながらほとんど覚えていませんが、
マニアックな歌舞伎ファン向けに描かれた浮世絵という商品展開、という見方ができて面白かったです。
(役者絵のアピールポイント・舞台裏の打ち上げレポート絵・没後メモリアル絵など)

なにしろ膨大な数があったので見るだけでも大変。博物館の奇抜なコピーライティング(伊達男=クールガイ/贔屓筋=ファンクラブ/魑魅魍魎=ファントムとか)の方が頭に残っている始末です。

というわけで国芳150Year歌川国芳展(2011)の図録を改めて見直し、勉強します。
福井の岩佐又兵衛展が興味深かったのですが、行きたかったなぁ。

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posted by 月与志(tsuyoshi-jp) at 20:39| Comment(0) | 感想:古典

2016年08月24日

作品展示のご案内「墨絵(モノクロ)で魅せる多色(カラフル)な世界」

2016年8月23日より、奈良図書情報館で行われる企画展示「墨絵(モノクロ)で魅せる多色(カラフル)な世界
奈良女子大学 文化メディア学インターンシップ企画
こちらで月与志もご紹介いただいております。

「墨絵(モノクロ)で魅せる多色(カラフル)な世界」(展示およびイベント)
〈日時〉2015年 8月23日(火)〜9月4日(日)
〈場所〉奈良図書情報館2階エントランスホール

奈良県立図書情報館では、奈良女子大学インターンシップによる企画展「墨絵(モノクロ)で魅せる多色(カラフル)な世界」を開催します。
白と黒が語りかけてくる。これは、どんな色にも染まる”白”と、どんな色にも染まらない”黒”の物語−過去、現在そして未来へ。
時空を超えた墨絵(モノクロ)アートです。墨絵画家月与志さん・逢香さんの作品を展示します。

また、妖怪書家・逢香さんの書画パフォーマンスや、”ゆび筆”を使ってみよう〜ゆび筆を使って自分だけのうちわ作りも楽しんでいただけます。(公式サイトより引用)


奈良図書情報館 イベント情報

早速拝見してまいりました。一般の方に分かりやすい歴史解説と、作品展示、イベントという構成です。
墨の歴史の紹介から始まり、古典の墨絵画家として、水墨画の画聖・雪舟と、安土桃山時代に水墨で幽玄の風景を描いた長谷川等伯のお話し。

そして現代の、墨絵を描く作家の作品展示があります。
地元奈良でよく作品をお見かけする、美しい書と妖怪画を描く逢香さんの原画展示。
そして最近、各方面で活躍されている、墨絵の画家さま・絵師さまも作品を寄せていらっしゃいました。
そんな中、月与志も地元ということで、二作品の原画を展示させて頂いております。

過去(歴史)・現在(作品展示)・未来(イベント)と分かりやすく構成され、
そして全体的に親しみやすい雰囲気があり、とても良い展示です。

特に、現代の墨絵作家という切り口で特集した展示は、私が知る限りでも珍しく、画期的ではないかと思います。
選ばれた作家はいずれも若い世代(月与志はおっさんですが)
いわゆる水墨画ではない、新しい潮流が生まれるのではないかという予兆を、企画者たちの若い感性が感じ取ったのかもしれませんね。

お近くの方はぜひ足をお運び下さい。
奈良図書情報館

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