2016年07月29日

Rp:忍性―救済に捧げた生涯― at奈良国立博物館

奈良にゆかりの深いお坊さま忍性(にんしょう)の偉業を偲ぶ展覧会が、2016年夏、奈良国立博物館で始まりました。

良観房忍性(りょうかんぼうにんしょう)
早くに亡くした母の願いをうけて僧侶となり、貧者や病人の救済にも身命を惜しまぬ努力をしました。
特にハンセン病患者を毎日背負って町に通ったという話には、慈悲深く意志の強い忍性の人柄がうかがえます。
人々の救済に努めた忍性に、後醍醐天皇は「菩薩」号を追贈されました。
来年2017年は忍性の生誕800年にあたります。本展では忍性ゆかりの寺院に伝わる名宝や文化財を一堂に集め、奈良生まれの名僧の熱い人生とその偉業を偲びます(展覧会より抜粋)

忍性―救済に捧げた生涯― 奈良国立博物館


貧者や病人の救済に身命を惜しまぬ行いをされたというお話、本当にすごい事だと思います。
私などは100%自分のためだけに生きているので…自身を恥じる思いで観ておりました。

当時虐げられていた病気の患者を「文殊菩薩の生まれ変わり」として救おうとした、といいます。
(文殊さまは、病気の人や貧しい人の姿になってこの世に降りてこられる…それを救うのが修行…ということなのだそうです)

折しも観覧したこの日、凶悪事件が世間を騒がしておりました。弱者を狙った冷酷非情な犯人像は(センセーショナルな報道のされかたもあるでしょうが)おおげさですが人への絶望や不信を感じるものでした…
しかしながら、忍性さまのこのお話を聞き、心の救いになった気がしたものでした。

IMG_9788.JPG

展覧会自体は、なかなか専門的で仏教色の強いものでしたが、忍性さまの生涯を描いた親しみやすいアニメーションがあるおかげで助かりました。
南こうせつさんの優しい語りと歌、中川学さんの美しいイラストレーションが見所です。

展覧館内で特設展示されていましたアニメーションは、中川学さんの暖かいイラストレーションを、奈良芸術短期大学生がアニメ化。
南こうせつさんの語りと歌で見られるのは期間中だけだそうですよ。

IMG_9808.JPG

イラストレーター中川学さんは御自身が僧侶でもありまして、仏教に関するお仕事や、創作、活動などされております。

うちの番組にもよくお話に来てくださいます。
月与志のカルチャー夜話 第四十七夜 〜イラストレーター中川 学さん

そういえば、中川さんのお寺 慈舟山瑞泉寺さまは、豊臣秀次公とご一族の菩提を弔っているのですが、この秋に「秀次公縁起」と寺宝の公開があるそうですよ。
慈舟山瑞泉寺

忍性―救済に捧げた生涯―は2016年9月までです。

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墨絵上田城の戦い 上田駅前に展示されています

2016年春に長野県上田市で披露されました「墨絵上田城の戦い」ただ今、上田駅前にて展示されています。
その詳細記事が「北陸・観信越光ナビ」に掲載されておりました。

第1次上田合戦、墨絵に 上田駅前に展示
北陸・信越観光ナビ/信濃毎日新聞(2016年5月31日)

長野県_第1次上田合戦、墨絵に_上田駅前に展示.jpg

展示場所は上田市天神の上田駅前ビル・パレオの壁面です。
展示=上田市 松尾町商店街振興組合さま
取材記事=信濃毎日新聞さま

なお、壁面の展示はどなたでも見て頂ける観光客向けのものです(原寸大複製)
私が描いた原画墨絵は、直ぐ近くにございます上田プラザホテルさまのロビーに展示されておりますので、足を伸ばして頂ければと思います。
詳細→墨絵上田城の戦い 展示されました

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2016年07月25日

Rp:すべて見せます万葉日本画〜風景〜@奈良県立万葉文化館

奈良県明日香村にございます奈良県立万葉文化館には、万葉日本画と呼ばれるコレクションが多数あり、拝見する機会も多いものです。
2016年夏は「すべて見せます万葉日本画〜風景〜」に行って参りました。

『万葉集』に詠まれた和歌をモチーフに日本画家が制作した「万葉日本画」
mind of Manyo Part 3 すべて見せます万葉日本画〜風景〜

いずれも大型の日本画作品で、一枚一枚が存在感あります。
その一枚の絵の為に、画家はテーマを吟味し、現地を訪れ「写生」をおこない、イマジネーションを膨らませているそうです。

制作コメントをみると、奈良・大和路が大好きで、何度も訪れてスケッチをしている画家さんのなんと多い事か(写真家も多いですね)
私ももっとおでかけして奈良の風景を描く時間を持ちたいと改めて思いました。

今回のメインビジュアルに選ばれていた、奈良にも縁の深い画家 絹谷幸二氏の「大和国原」ですが、
現物を拝見して、その魅力を初めて理解しました。
独特の質感・微妙に変化するグラデーション・POPともいえる明るい色彩感覚とプリミティブな造形センス。
こ・れ・は…! 写真や印刷物では決して再現できませんねぇ。アフレスコ(フレスコ画)という技法なのだそうですが…

大和国原.JPG

向学のため描き留めてみましたが、どうにも描ききれません…。
「大和国原」万葉歌から着想・鳥の目で眺めた古代の大和は、素朴で暖かい風景。
お社と鳥居と、あちこちの住居から立ち登る煙りが人々の営みを連想させます。

今回は風景が主役の絵画中心でした。
風景画というのは、人物や動物を描いたものと比べると圧倒的に地味な印象がありませんか?
デザインを学んだときに聞いた話ですが、人の興味は人物に集中するそうです(広告などで商品以外に俳優やキャラを立てるのはそのため)
絵を描くものでも、風景=背景と思っている人がいるぐらい、人物(キャラクター)は人気のモチーフです。

そのキャラクターを一切描かない、純粋に風景だけを描いた作品は、なんだかある意味特殊に感じますが、
一方美術の世界では、静物画や風景画はジャンルとして成立しているのが興味深いです。

制作者のコメントによると「描く風景に託して、自身の感情や思いを表現している」とありました。
「私の心象風景」ということですね。そこが、古代人の心が詠まれた「万葉集」と繋がるところなのでしょう。

以前、花鳥画に「叙情フォーク」を思い浮かべた私ですが(´ω`)
Rp:涼を呼ぶ美術−滝・鯉・龍−@大和文華館
自然の有様に情緒溢れるものを感じ深い感動を覚えて、それを歌(唄・詩)に託したり、絵に描き留めたり、というのは時代を超えて共通している営みなのかもしれません。

奈良県立万葉文化館の外にでたら、手入れされたお庭はとびきり美しかった。
そして、明日香村の風景はしみじみ美しいと気づいた帰路でした。

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