2018年07月05日

墨絵アートてぬぐい〜奈良風景 2018夏

久々ですが、墨絵アートてぬぐい 夏向けの絵柄をお納めいたしました。

若草山焼き.jpg

墨絵で花火を描いたこちらは「若草山焼き
奈良公園の一角、若草山に火が放たれて、炎上していく様を眺めるというなんとも豪快な行事です。
花火が上がってイベント感ありますが、社寺が執り行う伝統行事で、中世頃より続いているがなぜ山を焼くのか今となってはわからない、とか。
古都奈良の早春を告げる冬の風物詩を描いた一枚。

ukimido.jpg

そして奈良公園の雪降り積もる風景をすっきり描きました「浮見堂雪景
数年前でしょうか、奈良市内に雪が積もった時は、まさに水墨画のような景色となりまして、喜び勇んで取材したものです。

つばき.jpg

厳しい寒さの中で咲く椿は、力強く美しいものですね。


え?夏柄はどうしたって?
暑い夏にこそ、床の間にお部屋に、この雪景を掛け、涼を感じていただければと思います(こじつけハンパないって)

浮見堂は奈良公園の一角にございます。桜から紅葉まで四季を通して絵になるスポットですね。

浮見堂.jpg

ちなみに浮御堂とは湖上に突き出た仏堂のことで、近江八景 満月寺浮御堂が有名。
奈良公園の浮見堂は大正五年建築ということですし、神仏と関わり無く観光スポット的に作られたものやも。

おん祭.jpg

八百年以上途切れることなく続いているという古都の例祭「おん祭
今回の御旅所祭(おたびしょさい)パートは蘭陵王です。

蘭陵王.jpg

奈良の舞楽でよくお見かけする「蘭陵王」は、龍面のインパクトが絶大です。
今回描くにあたって知ったのですが、蘭陵王は古代中国の英雄、眉目秀麗の勇将として讃えられたが後に非業の死を遂げたのだとか。
その姿が演舞として後世に伝わり、大和の地にも残っているのですね。日本の能楽や歌舞伎の源流なのでしょう。

舞額面陵王.jpg

諸事情でしばらく間が空きましたが、今後も墨絵アート手ぬぐいは「奈良風景」をテーマに展開していきます。ご期待下さい。

敬天愛人.JPG

敬天愛人」(けいてんあいじん)
天を敬い、人を愛する。西郷南州が座右の銘とした有名なお言葉です。
現代の経営者にも人気の言葉だそうで、京セラの稲盛和夫氏が、JALの経営再建を成し遂げた時にも「敬天愛人」の社是が在ったとか。

制作に当たってちょっと南洲翁遺訓をひもとこうとしたのですが、言葉の真意はかーなり難しかったです。
西郷どんが好きだったという犬と共に描いてみました。


来上がり次第随時お納めしておりますが、手描きですので数に限りがございます、予めご了承ください。

最新作はSNSにて随時お伝えしております。

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墨絵アートてぬぐいにつきまして、詳細は以前の記事をご覧下さい
朱鳥さま 墨絵アートてぬぐいのご案内

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2018年06月06日

お出かけスケッチ〜京都大原三千院

いよいよ梅雨入りですね。少し前のお話しですが、京都大原へスケッチに行って参りました。

大原風景.jpg

2018年春は例年より桜の開花が早かったため、お出かけスケッチ部では、洛北で多少開花が遅れる大原へ足を伸ばしました。
有名な観光名所ですが、今まで中々訪れる事がありませんでしたので新鮮でした。

やえさくら.jpg

京都市内からバスで約1時間ほども離れた静寂な山里。
都から遠い、出家・隠遁の地として古くから知られた場所という事で、そんな趣が残る土地。
さすが観光名所、という風光明媚さでした。

大原女.jpg

こちらは「大原女」(おおはらめ)
大原は古くより薪の産地で、はるばる都へ薪を売り歩く女性達は、京都の風物詩として知られていたそうです(京都の古いは千年前とかざら)
今は時代祭や、時代行列などでおみかけしますね。
手拭い被りと労働着というスタイルが、着飾った芸者とは違う存在感があり魅力的です。(歴史が長いので、時代ごとにファッションが異なるようですが…)

そして大原といえば…きょおと〜おおはら、さん ぜん いん♪デューク・エイセスが歌ったご当地ソング「女ひとり」があまりに有名。

大原三千院.jpg

三千院では、阿弥陀三尊像を格納した船底天井がインパクトありましたが、四季折々のお花と、野仏さまが点在するお庭が絵になりますね。

つばき.jpg

というわけで、最近はお花を描く方法を模索中です。

春の池大雅展以来、木々や山石を描きたいのですが…水墨は難しい…(><)
感想:イケてる水墨画家 池大雅 at京都国立博物館

大原三千院と桜.jpg

なかなか上手く描けません。今年は修行ですなー。

はなしょうぶ_201806.jpg

あじさい_201806.jpg

というわけで、美しい菖蒲や紫陽花が色づいてまいりました。
まだ新株なので、フレッシュな色目ですねぇ。そういう発見も野外スケッチならではの楽しみ。

さて、新作はぼちぼち準備中でして、奈良風景を少しずつ描いていきたいかなと。
そして萌えきゅん鈴木春信を阿倍野に観に行かねばの(´ω`)


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2018年05月03日

感想:イケてる水墨画家 池大雅 at京都国立博物館

只今京都国立博物館で開催中の特別展「池大雅」に行ってきました。
綿密に描き込まれていながら、爽やかな風が吹き抜けるような風景を描いた、イケてる水墨画家です。

会場を訪れた国宝少女たちは、丁度いらしていた池大雅先生と記念撮影させて頂きましたが、なんとここで先生が三弦をつま弾いて名物達を讃える詩を披露。イケてるおもてなしに少女たちは大歓喜!

イケてる墨絵師池大雅.jpg

ほんとイケてる池大雅!というのが今回の戯れ絵でございます(´ω`)

国宝擬人化少女→感想:国宝展 at 京都国立博物館〜等伯×永徳・牧谿×梁楷 水墨画オールスター祭りだよ!

さて、池大雅 日本では85年ぶりの回顧展、その感想記事です。
池大雅とはどのような画家だったのでしょうか?
ぶっちゃけ私も、水墨画に関わらなければ知るよしもなかったのですが…。

円山応挙伊藤若冲など、個性派画家がしのぎを削った江戸時代中期の京都画壇。その活況のなかで、与謝蕪村とともに「南画の大成者」と並び称されるのが池大雅(1723〜76)です。その作品は、寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を象徴するかのような、清新で衒いのない明るさに満ちています。
公式サイトより→特別展 池大雅 天衣無縫の旅の画家


今再び注目を集めている円山応挙や伊藤若冲、その同時代に活躍した京都の人気画家だそうです。

当時から有名人だったらしく、展覧会では「京(みやこ)の三畸人(きじん)」の一人と紹介されていましたが…これほめてるの、けなしてるの?(´ω`)
ちなみに三畸人の一人は売茶翁(ばいさおう)でした、ということは…。

伊藤若冲のお話し→Rp:生誕300年記念 伊藤若冲展 at相国寺承天閣美術館

また池大雅は、与謝蕪村とともに、日本の南画文人画)の大成者ということです。

そうそう彼が与謝蕪村とコラボした作品も有名ですね。(むしろこっちを知ってました=川端康成せんせがこれ好き過ぎてはぎゅ〜〜っと財産ぶっこんで!ゲトしたという「十便十宜図」)
※ここから画像はWikimedia CommonsのPublic domainを引用しています

The Chobenzu by Ike Taiga
釣便〜十便図 池大雅
By Ike Taiga(1723 - 1776) 池大雅 (Kawabata Foundation (公益財団法人 川端康成記念会) 記念館) [Public domain], via Wikimedia Commons


しかし待て、与謝蕪村というと俳句の人ぢゃなかった?
改めて調べたら与謝蕪村は「江戸俳諧の巨匠」「俳画の創始者」とありました。

俳画というと、俳句の世界観をさらっと描いた趣のある絵ですかね。
蕪村は俳句を詠み画も描く。池大雅は書も達人で画の名手だったとか。

Ike Lungshan
蘭亭曲水龍山勝会図 池大雅筆
By Ike Taiga (Catalogue) [Public domain or Public domain], via Wikimedia Commons


なんだか両方いろいろできちゃうのは不思議な気がしますが…うーんそもそも芸術事に垣根があるように思うのはなぜなんでしょうね?
文人画の世界では、どうやらそこに隔たりは無いようですよ。

さて真面目にお勉強しているわたしでも未ださっぱり分からない水墨画の世界ですが(´ω`)めちょっく!
普通に暮らしてる、現代っ子はもっと分からないですよねぇ。
キーボードやスマホが主流の今、普段「筆」を使う事が無いし、床の間に掛け軸や華のある生活とか今では少数派のように思いますし。

そういった環境の変化と、中国文化の知識が失われている事が、水墨画が現代と縁遠くなる理由なんでしょうねぇ。
まぁかくいう私の中国のイメージなども、西遊記・三国志・パンダにカンフーにきょんしーですからねぇ(いろいろ間違えてるぞ)

そんな訳で、池大雅の「南画」についても、鑑賞するために少し知識が必要ですね。


■南画(文人画)とは?

江戸時代後期の日本では、上方江戸を中心に豊かな文化が育まれ、絵画も大変盛んになりました。
そんな中、中国絵画の新様式、南宗画(なんしゅうが)に学んだ絵師達が現れ、中国風の山水画を描き「南画」と呼ばれました。
池大雅と与謝蕪村がブレイクさせた「日本南画」は、西洋美術の波が押し寄せる明治初期まで大いに流行したのだそうです。

彼らが学んだ中国の「南宗画」は、「文人」(ぶんじん)という特権階級の知識人が担った絵画=文人画でした。
高い教養と優れた精神が優れた芸術を生む、という考え方、そして詩と書と描かれる画の世界観が調和しているという「詩書画一致」という特長があるそうです。

日本の南画家たちが憧れたのが、どうやらこの「文人」の高潔な世界のようですね。
教養風雅を愛し、権威に抗い、世俗を脱する生き方に憧れ、実践した人々の芸術。
江戸時代に流行した「浮世絵」=「今をエンジョイしようぜまじパリピな世俗肯定」とはまた違った芸術を支持する人々もいたのでしょう。

そうそう、前述の畸人(きじん)=俗塵に染まった世で自由に生きた人の意味でした。褒めてたんだねw

ちなみに、文人画は、非職業として絵を描く事を重んじているようで(プロではない素人の絵描き、ただし教養人に限る)それまでの職業画家を批判する立場をとっていて、巧みに上手く描くことを良しとしないイメージがありますね。
心のままにとらわれることなく、自由に表現するを良しとする価値観は、今もどこかに受け継がれている気がします。

そんな訳で、同じ水墨画でも、室町時代の雪舟パイセンや、安土桃山時代の等伯ニキの水墨画とはまるで違う背景を持っているのですねぇ。

感想:国宝展 at 京都国立博物館〜雪舟にツッコミを入れてみる

池大雅_京都国立博物館.JPG


■池大雅の人となりと生涯

さて、展覧会には池大雅の書画、関連資料や作品など様々、驚くほどありました。
えーと、ぶっちゃけ池大雅の山水画ってどれも同じに見えていたのですが…(´ω`)
よくよく観ると、かなり画風が変化しているというか、むしろ描く度にいろいろ試していたんぢゃないかっていうね…。

幼少より書が達者、神童と呼ばれ、南画の先達に見いだされ、文人画を学ぶ。
妻の玉瀾も画家で、芸術家夫婦らしいほのぼのエピソードも。
京都の現在円山公園辺りに庵を構え、画を描き、詩を詠み、愛妻と音楽を奏でる日々これ好日。

これは現代に例えると、都会の一等地にアトリエを構え、洋風のライフスタイルで暮らす当代一流の文化人、といった感じでしょうか。

そして文人の高雅な生き方に憧れ、中国渡来の画譜(絵の手本)で学び、山水を描くため旅を重ねます。


■旅の画家

今ほど自由に旅する事が困難な時代にも、大雅は日本各地を旅し写生に努めたそうです。
で、その成果ともいう作品が…箕面の滝、清水寺、松島遠景、富士山でさえ…中国風に描かれてて驚きましたww
よっぽど中国の文化に心酔していたんですかねぇ。今の私達の感覚からすると違和感パないですがw

池大雅が中国に渡ったという話は聞かないので、おそらく中国の実景を見る事なく、憧れを膨らませて創作に励んだのではないか、と。
そもそも山水画は、実景を描くのではなく、胸中に描いた世界を描くものだそうで、いわば憧れで描いた妄想世界w

例によってわかりやすく現代に例えてみますと…四畳半アパートで暮らす若者がカップ麺すすりながらシャレオツな洋楽を聴いて、リバプールやアメリカ西海岸はお洒落ピープルで溢れていると妄想するようなものでしょうか。
そして、そっくりそのまんまの音を再現し、英語で歌い、和製なにがしと評判になり、妻は竹内まりやかユーミンか(´ω`)池大雅こそ、元祖渋谷系といえる存在ではないでしょうか(意味不明)


■変化する作風


中華風だった日本の風景画も「日本十二景」ではかーなり和風な味わいになっていたり。
実際に山に登って描いたスケッチや「真景図」は、西洋画の遠近法が取り入れられていたり。
中国様式から徐々に脱して、独自の画風に歩を進めていたことが、順に追って観ていて分かりました。

指頭画という、指に墨を付けて描くパフォーマンス的な画法にもチャレンジしていたり。
京で当時一世を風靡していたであろう「琳派」に倣った作品があったり。
かなり色々試行錯誤していたんだなぁと。

作風が開花するのは40歳代以降。
筆の勢いに任せない、墨点の積み重ね、まるで織物のような地道な描き込み。
それでいてクドくならない、どこかヌケ感がある墨と白のバランス感覚。
そう、画面に爽やかな風が吹き抜け、暖かさにつつまれるようなイケてる水墨画なのです。Yes! Ike-Taiga Yes!

蘭亭曲水図屏風. 秋社図屏風-Orchid Pavilion Gathering; Autumn Landscape MET DP362635
蘭亭曲水図屏風 池大雅筆
Metropolitan Museum of Art [CC0], via Wikimedia Commons


墨絵なのに色を感じる点描すご…って、ホントに色ぬってるやんかーいw
まるで印象派のそれな…そう、19世紀末の印象派は、色の混色をしない点描でにごりのない清らかな画面を手にれたということですが…それに通じるものがやはりありますね。

IIke Taiga Bankett am Lunshan
蘭亭曲水龍山勝会図 池大雅筆
By Ike no Taiga (Cataqlogue) [Public domain], via Wikimedia Commons


ところで、池大雅の生涯を知ると、文人のイメージと違い、恵まれたエリート育ちだったわけではないようで。
幼少の頃に父を亡くし、若くして扇を描いて生計を立てたり、後に名声を得ても清貧な生活をしていたような様子でした。理想の「文人」に憧れ、そうありたいと願っても、実際は絵を売る職業画家だったり…。

どうやら池大雅せんせは、生まれながらのイケてる男ではなく、努力して真のイケてる画家になったに違いありません。私も彼を見習って、超イケてる墨絵師をめざして、がんばるぞいp(´Д`*)q☆

そして今回もまたニコニコ生放送で京都国立博物館より生放送があるそうで、楽しみです。
京都国立博物館 「池大雅 天衣無縫の旅の画家」展を巡ろう


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